小川一水の大河SFシリーズ第5部。
小惑星にある農場で日々の仕事に追われる、男やもめの農夫が主人公。
低重力の閉鎖環境で営まれる農業の様子とか、従事してる農民たちの暮らしぶりなどが、詳細に描かれていて興味深い。
そこに、思春期の娘との確執、地球出身の謎めいた女性、うまくいかないリンゴ栽培など、さまざまな要素を絡めながら、主人公の過去にまつわる冒険譚がつづられる。
これに平行して、異星で生まれた知性体が、大宇宙を放浪して地球にたどり着くまでの波乱万丈が、何ともユルい調子で語られる。
ふたつの話は異質だし、スケールも違うんだけど、ひとつの世界を構成してることがオボロゲに分かる。
オボロゲにしか分からないほどに、物語の舞台が壮大なのです♪