精神科医による“生き方指南”みたいな本。
しばしば「みんな仲良く」「怠惰はダメ」なんて言われる。それらは合理的思考や社会的規範として、世間一般に浸透し、私たちの言動に影響を及ぼしてる。
やっぱ当然、仲良くしたくない相手もいれば、怠けていたい場面だってある。
そこで私たちは日常的に、合理的思考や社会的規範でもって、自然に振る舞いたい“本当の自分”を制御しようとしてるのだ。
“本当の自分”の制御がうまくいかないと、ココロに無理が生じる。どうしたいのかが自分でも分からなくなったりする。精神障害を招いてしまうこともある。
こんな人間の特性を理解した上で、周りの常識や道徳を疑い、自ら考え・感じることによって“自分”を取り戻そう…と著者は訴える。
講話スタイルで書かれてるので読みやすい。
心の問題を理解する手がかりとして、古今東西の文学作品や、文化人らの発言などが多数引用されてるところが、ちょっとユニークです♪