ウチの施設を十年近く利用していたAさん。
このたび、就労移行支援A型の作業所へ移行することになりました。
A型作業所での3日間の実習が無事に終わり、移行後への自信が持てたそうです。
どこかスッキリとした表情のAさんが印象的でした。
施設長としては「ステップアップできて良かった」と喜ばしいのですが。
経営者としては「これで収入が1人分減ってしまう」との思いもあります。
ウチのような福祉作業所は、利用者さんへの給付金で運営されています。利用者さんの移行は、経営面においては収入減を意味するのです。
また、Aさんの作業能力は、ウチでは比較的高い方。そのAさんが欠ければ、施設の作業効率が低下することになります。
「ふさわしい」移行は当然
痛し痒しではあるけれど、それはウチの問題。「自分にふさわしい」と思える施設にAさんが移るのは、当然です。
Aさんの能力に適した作業と、Aさんが満足する工賃を、ウチは用意できなかったのですから。
数年前、別のA型作業所で実習を行なった時は、Aさんは1日でリタイアしてしまいました。
あのころに比べれば、Aさんなりに成長し、強くなったのです。そこにウチの支援が関与しているのであれば、やはり喜ぶべきでしょう。
利用者さんのステップアップを素直に喜び、気持ち良く送り出せる施設長でありたいものです。
だからこそ、利用者さん数名が移行したとしても揺るがない、強固な経営基盤が求められるのですが。
Aさんの移行に前後して、ウチの利用を希望する人がいるという連絡が舞い込みました。
利用したい方は、もちろん大歓迎です。