天竺堂の本棚

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巧妙で意地悪 毒の利いたミステリ 『ロートレック荘事件』

筒井康隆のミステリ。 ロートレック作品の蒐集家の別荘で起きた連続殺人事件を描く。 ロートレックと同様、主人公は身体障害による低身長の男性として設定されてる。 この主人公の存在が、物語に奇妙な違和感を漂... 【続きを読む】
マンガ

ゆるキャラ起用 オドロキの“偉人伝” 『くまモン』

小学館が出した、オドロキの“偉人伝”(偉熊伝?)。 「地域振興と災害復興にかけまわる次世代のリーダー」として、熊本県を代表する人気ゆるキャラの“半生”をマンガで紹介。 キャラクター誕生の経緯などはきち... 【続きを読む】
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舞台そのままに 主人公が交代へ 『あやかし草子』

宮部みゆきの人気シリーズ第5巻。 シリーズに大きな変化が到来し、これまでの主人公というか狂言回し役が“引退”してしまう。次巻からは別の人物が主役を務める模様。 そこに至る過程が少々唐突にも思えるけど、... 【続きを読む】
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マンガ

脳内補正を強いる ブランドの力 『ファイブスター物語』(14)

唐突にして大胆な内容改変が行なわれ、どうしようか迷ったものの結局、読み続けることにした14巻。惰性的ズルズル感を覚える一方で、続きに期待してる自分にも気付いたり。 登場する巨大ロボットたちのデザインや... 【続きを読む】
マンガ

ホノボノなりの攻め 深い内容も 『バーナード嬢曰く。』(4)

読書好きな男女4人が織りなす、読書好きのための、“読書あるある”なギャグマンガ。 のはずなんだけど、人気を集めて4巻にまで至ると、もはやギャグだけにどどまらない、何とも深い内容に。 「どうして私たちは... 【続きを読む】
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幻想的で寓話的で 狂気じみた魅力も 『十三の物語』

初めて読んだスティーヴン・ミルハウザー。 全13話の短編集。「オープニング漫画」と題する開幕編と、「消滅芸」「ありえない建築」「異端の歴史」の3部各4編で構成されてる。 屋根裏部屋の暗闇にひそむ少女に... 【続きを読む】
エッセイ

そこにしか無いもの 感じ取る紀行文集 『ラオスにいったい何があるというんですか?』

村上春樹の紀行文集。 やや過激なタイトルにも思えるけど、これはベトナム経由でラオスに入る際、著者がベトナム人から訊かれたことだと。「ラオスにあるものはベトナムにもあるけど、その逆は無い。なのに、わざわ... 【続きを読む】
ノンフィクション

悲哀も卑しさも 読ませるルポルタージュ 『一発屋芸人列伝』

お笑いコンビ「髭男爵」のツッコミ役・山田ルイ53世が、世間に“一発屋”として認知されてる芸人たちを取材したルポルタージュ。 著者自身が一発屋だけに、毀誉褒貶を味わい尽くした者同士だからこそ訊けること、... 【続きを読む】
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労働賛美の道徳を批判 ラッセルの随筆集 『怠惰への讃歌』

バートランド・ラッセルの随筆集。 書かれたのは1928~1932年だけど、今読んでもなかなかに刺激的。特に労働についての記述が興味深い。 著者は「幸福と繁栄に到る道は、組織的に仕事を減らしていくにある... 【続きを読む】
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