天竺堂の本棚 奇妙で不穏な物語 再読で印象変化 『ピース』 ジーン・ウルフによる、初期の長編小説。 アメリカの田舎町に住んでる男性の、自伝的なモノローグ。なんだけど、何ともあやふやで不可解。 エピソードの時系列が、よく分からない。主人公が生きてるのか死んでるの... 【続きを読む】 2014.06.27 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 宇宙規模の追跡劇 イカダで星々巡る 『エンディミオン』(上・下) ダン・シモンズによるSF4部作の第3部。 業務上過失致死みたいな罪で死刑になった主人公が、謎の人物に助けられ、ある少女の命運を託される。ついでに、人類を支配する巨悪の壊滅や、喪われた地球の発見など、無... 【続きを読む】 2014.06.16 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 濃密な格闘群像劇 物語は最終決戦へ 『獅子の門 鬼神編』 夢枕獏の格闘小説、30年かけての完結編。 格闘技に情熱を燃やす青年5人と、それを見守る達人・羽柴彦六の物語…だったはずなんだだけど、闇の格闘家・久我重明の存在感が増大。青年たちや彦六までも喰ってしまう... 【続きを読む】 2014.05.28 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 壮大にして緻密 “多元中継”の妙味 『ハイペリオンの没落』(上・下) 大河SF4部作の第2部。 前作『ハイペリオン』の“解決編”みたいな位置付け。 オムニバス的だった前作と異なり、戦場や宇宙空間、電脳空間、会議室、廃墟、遺跡、未来世界などなど目まぐるしく場面が入れ替わっ... 【続きを読む】 2014.05.12 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 SFネタの“見本市” 超大作の開幕編 『ハイペリオン』(上・下) 名高いSF大作の開幕編。 辺境惑星にある古代遺跡を訪ねる巡礼たちが、それぞれの身の上を順番に語っていく構成の、オムニバス短編集。 巡礼7人の物語は、ジャンルもテイストも多種多彩。秘境探検あり、サイバー... 【続きを読む】 2014.05.07 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 テロ組織との対決 抵抗勢力との暗闘 『機龍警察 未亡旅団』 『ワイルド7』と『パトレイバー』と『新宿鮫』と『ボトムズ』を混ぜ合わせ、今野敏あたりを振りかけたような近未来SF警察小説の第4弾。 国際的なテロ組織『黒い未亡人』との対決に、政府内にひそむ抵抗勢力との... 【続きを読む】 2014.04.01 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 高度成長時代の“負の遺産”が 『ペテロの葬列』 宮部みゆきの社会派ミステリ。 企業グループ会長の娘婿になった平凡な男が、非凡な事件に遭遇するというシリーズ(?)の3作目。 奇妙なバスジャック事件に巻き込まれたことから、高度成長時代の“負の遺産”みた... 【続きを読む】 2014.03.29 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 伝奇に仕立てた竹取物語 『かがやく月の宮』 宇月原晴明による、竹取物語の“異聞”。 竹取翁の屋敷にいるという謎の美姫が、朝廷を大混乱におとしいれる。その様子を、求婚した公達や帝の側から描く。 大唐帝国との外交問題や、著者お得意の“中近東から渡来... 【続きを読む】 2014.03.22 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 本は“墓” 読書は“墓参り” 『書楼弔堂 破暁』 京極夏彦の連作短編集。 明治中期の東京郊外に建つ、謎めいた書舗「弔堂」が舞台。 悩みや問題を抱えた顧客に、「どのような本をご所望ですか」との時代劇的キメ台詞が出て、“大切な一冊”が渡される。 江戸から... 【続きを読む】 2014.03.16 天竺堂の本棚小説