天竺堂の本棚 養成と選別 警察学校の物語 『教場』 警察学校を舞台にした、オムニバス短篇集。 生徒たちの視点から、冷徹な教官による厳しい訓練と、そこで生じる葛藤などが描かれる。 警察官の養成機関である警察学校。 それを、警官に向く者と向かない者を分け... 【続きを読む】 2014.01.26 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ネタとギャグ 乱れ撃ちのスパイ小説 『定吉七番の復活』 東郷隆による、キレまくってるスパイ(ギャグ?)小説。 「殺人許可証を持つ丁稚」「世界で最も危険な丁稚」などと呼ばれる定吉七番が主人公。 大阪商工会議所秘密会所に所属し、関西経済界の利権を守る敏腕情報... 【続きを読む】 2014.01.19 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 琉球舞踊めぐるドラマチックな物語 『黙示録』(上・下) 池上永一の琉球王朝モノ。 舞台は18世紀。 清国と徳川幕府に従属し、軍事や産業で劣る小国・琉球は、文化や芸術に力を入れて影響力を増すという独自の外交政策を展開してた。 賤民だった主人公は、才能を見... 【続きを読む】 2014.01.14 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 自由とは? 労働とは? 思考実験の世界 『所有せざる人々』 アーシュラ・K・ル=グウィンの長編SF。 舞台はふたつの惑星。 ひとつは、過酷な風土の中、アナーキストたちが相互扶助によって暮らす、惑星アナレス。もうひとつは、肥沃な自然に恵まれ、資本主義経済が栄え... 【続きを読む】 2013.10.09 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 「ゲド戦記」の世界観深める短篇集 『ドラゴンフライ』 『ゲド戦記』の外伝に当たる短篇集。全5編。 舞台となる「アースシー」の各時代、各地域のエピソードを、ディテール細かく描き出す。作品の世界観をグッと深めてくれる。 語り口は淡々としてるのに、不思議な... 【続きを読む】 2013.09.11 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 火星人が本当に襲来!? 『宙の地図』(上・下) H・G・ウエルズが主人公を務める、奇想小説『時の地図』の続編。 侵略SFの古典となる『宇宙戦争』を、ウェルズが発表する。そうしたら、本当に火星人が襲来するという物語。 これに、地球空洞説やら南極探検... 【続きを読む】 2013.05.29 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 幽霊屋敷 さまざまな切り口で 『私の家では何も起こらない』 幽霊屋敷をめぐる連作短編。全10話。 同じ屋敷を舞台に、語り手や年代、趣向など、それぞれ異なってる。凝ったホラー小説。 著者は「家という“枠組み”に幽霊が留まるのはどうしてか?」みたいな疑問を抱いて... 【続きを読む】 2013.03.31 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 19世紀末ロンドン舞台に奇想炸裂 『時の地図』 舞台は19世紀末のロンドン。主人公は『タイム・マシン』発表後のH・G・ウエルズ。 切り裂きジャックに殺された恋人を取り戻したいと願う青年。西暦2000年に行けるという時間旅行会社。未来世界の英雄に恋... 【続きを読む】 2013.03.11 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 中学生たちが開く校内裁判 『ソロモンの偽証』(1~3) 全3部のミステリ(?)大作。 クリスマスの朝、公立中学校で2年男子の遺体が見付かる。警察と学校は“飛び降り自殺”で決着させた。 ところが、殺害事件だと訴える“告発状”が現われ、犯人として不良生徒3人... 【続きを読む】 2013.03.04 天竺堂の本棚小説