小説

天竺堂の本棚

濃密な格闘群像劇 物語は最終決戦へ 『獅子の門 鬼神編』

夢枕獏の格闘小説、30年かけての完結編。  格闘技に情熱を燃やす青年5人と、それを見守る達人・羽柴彦六の物語…だったはずなんだだけど、闇の格闘家・久我重明の存在感が増大。青年たちや彦六までも喰ってしま... 【続きを読む】
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壮大にして緻密 “多元中継”の妙味 『ハイペリオンの没落』(上・下)

大河SF4部作の第2部。 前作『ハイペリオン』の“解決編”みたいな位置付け。  オムニバス的だった前作と異なり、戦場や宇宙空間、電脳空間、会議室、廃墟、遺跡、未来世界などなど目まぐるしく場面が入れ替わ... 【続きを読む】
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SFネタの“見本市” 超大作の開幕編 『ハイペリオン』(上・下)

名高いSF大作の開幕編。  辺境惑星にある古代遺跡を訪ねる巡礼たちが、それぞれの身の上を順番に語っていく構成の、オムニバス短編集。  巡礼7人の物語は、ジャンルもテイストも多種多彩。秘境探検あり、サイ... 【続きを読む】
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テロ組織との対決 抵抗勢力との暗闘 『機龍警察 未亡旅団』

『ワイルド7』と『パトレイバー』と『新宿鮫』と『ボトムズ』を混ぜ合わせ、今野敏あたりを振りかけたような近未来SF警察小説の第4弾。  国際的なテロ組織『黒い未亡人』との対決に、政府内にひそむ抵抗勢力と... 【続きを読む】
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高度成長時代の“負の遺産”が 『ペテロの葬列』

宮部みゆきの社会派ミステリ。 企業グループ会長の娘婿になった平凡な男が、非凡な事件に遭遇するというシリーズ(?)の3作目。  奇妙なバスジャック事件に巻き込まれたことから、高度成長時代の“負の遺産”み... 【続きを読む】
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伝奇に仕立てた竹取物語 『かがやく月の宮』

宇月原晴明による、竹取物語の“異聞”。  竹取翁の屋敷にいるという謎の美姫が、朝廷を大混乱におとしいれる。その様子を、求婚した公達や帝の側から描く。  大唐帝国との外交問題や、著者お得意の“中近東から... 【続きを読む】
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本は“墓” 読書は“墓参り” 『書楼弔堂 破暁』

京極夏彦の連作短編集。  明治中期の東京郊外に建つ、謎めいた書舗「弔堂」が舞台。 悩みや問題を抱えた顧客に、「どのような本をご所望ですか」との時代劇的キメ台詞が出て、“大切な一冊”が渡される。  江戸... 【続きを読む】
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臨死体験めぐるスリリングな物語 『航路』(上・下)

コニー・ウィリスSF大作。上下巻。  臨死体験を擬似的に起こせる物質が発見され、認知心理学者と神経内科医のチームが、この物質をボランティア被験者たちへ投与し、聴き取り調査を始める。 ところが、アクシデ... 【続きを読む】
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迫る大災害 価値観や思い交錯 『深紅の碑文』(上・下)

SF大作『華竜の宮』の続編。  目前に迫ってる、地球規模の大災害。 人類存続のために奔走する者、個人の信念や意地をつらぬこうとする者、星間宇宙船に思いを託す者…それぞれの立場や価値観が交錯し、衝突する... 【続きを読む】
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