小説

天竺堂の本棚

スーパーヒロイン 度外れた活躍 『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』(上・下)

人気シリーズも第5部を数えると、リスベットのスーパーヒロインぶりが度外れてきてるカンジ。  ハッキングの技量はチートの域。殴り合いにも滅法強く、洞察力もズバ抜けてる。つーか、ズバ抜けすぎて、もはや“名... 【続きを読む】
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奇妙で異様で不気味で 余韻ある16篇 『不思議の森のアリス』

リチャード・バートン・マシスンの短編集。 “ホラー”とか“ダーク・ファンタジー”に当たるらしい、奇妙で異様で不気味で、何とも独特な16編。  玉石混交っぽいけど、“玉”に相当する方は、“石”を補って余... 【続きを読む】
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ヒロイン苦しめる 呪われた血族 『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』(上・下)

唐突だけど、往年の刑事ドラマ「Gメン’75」の連作“黒谷町シリーズ”を思い出した。  手斧を振り回す殺人鬼・望月源治(蟹江敬三)と、立花刑事(若林豪)の対決には、ハラハラさせられっぱなしだった。 逮捕... 【続きを読む】
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暴力肯定の未来 思考実験として読める 『宇宙の戦士〔新訳版〕』

ハインラインの名作SF。 裕福なボンボンだった青年が、ひょんなことから地球連邦軍に志願し、機動歩兵として鍛えられていく様子が活き活きと描かれてる。まさに“読むブートキャンプ”。  ひさしぶりに、新訳版... 【続きを読む】
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翻弄される人生 諦念もたらす名作SF 『タイタンの妖女』

未来のことなんて分からない。予想はできるけど、予想しかできない。  かつて自分が「こうなればいいなぁ」と願ってたモロモロは、かなったり、かなわなかったり。どちらかと言うと、かなわなかったことの方が多い... 【続きを読む】
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欲望極めた果てに “鬼の副長”誕生へ 『ヒトごろし』

よく「好きなことを仕事にしよう」なんて言う。それをトコトン実践し、「新選組」を結成してしまったのが、本書の主人公・土方歳三。  幼少期に出くわした斬殺の光景に魅せられて以来、歳三は「人を斬り殺したい」... 【続きを読む】
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死体や狂人、カルト集団… 面白すぎる 『エジプト十字架の秘密』

名高い「国名シリーズ」の5作目。クイーンの代表作にも数えられるとか。  磔にされた首無し死体。古代エジプトの太陽神を名乗る狂人。孤島にひそむヌーディストのカルト集団。ヨーロッパの旧家に伝わる宿怨。渋い... 【続きを読む】
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奴隷を逃がす “奇跡”のトンネル網 『地下鉄道』

沢木耕太郎の『深夜特急』に、旅人を乗せてユーラシア大陸の闇夜を走る特急列車なんか出てこない。 ところが、本書には「地下鉄道」そのものが登場する。  本来は、19世紀アメリカにおいて、黒人奴隷たちを南部... 【続きを読む】
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イラっとくるやらガッカリするやら恥ずかしいやら 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

主人公は鈍感なんじゃなかろうか? 人生の重大な岐路が迫っていても、相手が繊細な内面を明かしてきても、ありのままに認識することなく、夢や幻みたいな“不思議な出来事”として捉えてしまう。で、後になって「あ... 【続きを読む】
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