天竺堂の本棚 会いたさも尻込みも 気持ちはホンモノ 『ソラリス』 少年時代、私は祖母と同居していました。内孫の長男である私の大成を、祖母は強く望んでいたようです。 しかし、私はボンクラだったため、高校受験に失敗。祖母は私以上に落胆し、その年の夏、病気で他界したのでし... 【続きを読む】 2017.10.10 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 特捜部の“謎”に直面 新展開へ 『機龍警察 狼眼殺手』 シリーズ5作目。新たな展開が待ってます。 この物語には、初めから「他国に優る先端テクノロジーを搭載する機甲兵装が、どうして警視庁特捜部に配備されてるの?」という根本的な“謎”がある。 次世代通信事業... 【続きを読む】 2017.10.04 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 弱く愚かな人々 普遍的な姿に共感 『火星年代記(新版)』 名高いSF短編集を、ブラッドベリ自身が改訂した“決定版”みたいな本。 人類の火星進出に絡んだ短編が時系列に並んでるんだけど、旧版よりも時代設定が未来へずらされ、いくつかの話が追加・削除してある。訳文... 【続きを読む】 2017.09.27 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 SFとミステリの合体? 奇想の意欲作 『ジャック・グラス伝』 著者によると「“黄金期”のSF小説と“黄金期”の推理小説を合体させてみたい」との意向で書かれたそうな。 太陽系に拡がった人類が、封建的な階級社会を築いてる未来世界が舞台。 「宇宙的殺人者」と称される... 【続きを読む】 2017.09.17 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 小惑星探査めぐる謎 ミステリ風ハードSF 『ここから先は何もない』 山田正紀の長編SF。 日本が打ち上げた小惑星探査機が、予定されていなかった未知の小惑星に着陸。常識的には存在するはずのない“資料”を回収してきた。 資料は米軍が横取りし、沖縄の離島に秘匿してしまう。... 【続きを読む】 2017.09.11 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 再キャスティング強いる どんでん返しのミステリ 『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午のミステリ。 高齢者を狙う悪徳商法に絡んだ殺人事件の謎を、元探偵の主人公が追求するという物語。 終盤にオドロキのどんでん返しが待ってる。 明かされた“真相”によって、読みながら思い浮かべてき... 【続きを読む】 2017.09.04 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 世界の“実相”に迫る ユーモア(?)SF 『フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉』 神林長平のユーモア(?)SF。 生活家電にまで人工知能(AI)が普及してる近未来が舞台(長野県内)。 引きこもりの中年男が、真実を照らすという古代の燭台と出合い、“この世の実相”に迫る。 AIに囲... 【続きを読む】 2017.09.02 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 悩みさまよう若侍 詩的な剣戟場面 『ブラッド・スクーパ』 若き侍・ゼンの彷徨を描く、『ヴォイド・シェイパ』に続くシリーズ2作目。 不老不死をもたらすという「竹の石」をめぐり、ゼンが盗賊団と対決する。 日本でありながら日本でないような、時代劇でありながら時代... 【続きを読む】 2017.08.26 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 作家“収蔵”する図書館 ウルフの奇想炸裂 『書架の探偵』 ジーン・ウルフの奇想が炸裂してるSF。 小説家や詩人の複製人間たちが図書館に“蔵者”として収蔵され、ユーザーが面会したり借り出したりできる未来世界が舞台。 主人公はミステリ作家(故人)から複製された... 【続きを読む】 2017.08.17 天竺堂の本棚小説