小説

天竺堂の本棚

時代超えて戦い続ける鮫島 『新宿鮫 暗約領域』

新宿警察署生活安全課の鮫島は、年齢が四十代のどこかで止まってしまった模様。  前作までに上司と恋人を失ったけど、女性上司が赴任してきたり、若手とコンビを組まされるなど、新たな変化もあって飽きさせない。... 【続きを読む】
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表紙とは大違い 猟奇的サスペンス 『連続殺人鬼 カエル男』

カエルの着ぐるみ姿の変人が、シュールな事件を起こしまくる脱力ミステリ…みたいな、ユーモラスな表紙を見て浮かんできたイメージとは大きく異なる、猟奇的なサイコサスペンス。  カエルをもてあそぶ幼児のように... 【続きを読む】
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目をそむけられない 日常の問題 『クジラアタマの王様』

冒険と刺激に満ちた別の世界で生きたいと願ったり。ここではないどこかに“真のオレ”がいるに違いないと思ったり。 そんな夢想にふけってた青少年のころから、何十年も経った現在。  オッサンになってしまった自... 【続きを読む】
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“発展”の是非 読み手に問いかける 『言の葉の樹』

ル=グウィンの長編SF。  宇宙連合エクーメンがもたらす文明を受け入れた、惑星アカが舞台。 アカの支配勢力は、産業や経済を飛躍的に発展させる半面、それまでの文化を全否定しようとしてた。徹底的な焚書。 ... 【続きを読む】
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カノジョさえいれば 夢想抱く探偵 『IQ2』

無差別殺傷事件を起こした男が、犯行前にネットで「彼女さえいればこんな惨めに生きなくていいのに」なんてつぶやいてたそうな。 カノジョができたら、どんなオトコでもハッピーになれるのか?  ハッピーになれる... 【続きを読む】
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創設からの歩み さまざまな視点で 『夢見る帝国図書館』

国立国会図書館の前身とされる帝国図書館を題材にした、ちょっとユニークな小説。  人物パートと図書館パートが交互につづられる。 前者は、主人公の女性ライターが偶然出会った、天真爛漫な老女・喜和子さんをめ... 【続きを読む】
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異なる自分を生きる 複雑怪奇なミステリ 『イヴリン嬢は七回殺される』

今この文章を書いてる自分と、昨日の自分や、一昨日の自分って、同一人物なのだろうか?   どれも自分なんだから、同じでアタリマエ。 と思いがちだが、改めて考えてみれば、今の自分と過去の自分では、経験とか... 【続きを読む】
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風変わりで魅力的 LAの無許可探偵 『IQ』

ロサンゼルスに住むアフリカ系アメリカ人。20代半ば。無許可の探偵。 明敏な知性、鋭い観察眼、大胆な度胸と行動力、奇妙なボランタリー精神の持ち主。銃器は嫌いだが、知識は豊富。地元の地理、犯罪組織の事情、... 【続きを読む】
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イタい男女の言動 巧みに描く中編集 『木に登る王』

スティーブン・ミルハウザーの中編集。 全3話いずれも、男女の愛憎っつーか、浮気に絡んだ三角・四角関係の物語。  ニンゲンは愚かで弱いから、惨めな自分に真正面から向き合うなんて、そうそうできはしない。 ... 【続きを読む】
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