犯罪者の親族へ非難が集まる。部活で先輩への服従を強いられる。会議で前向きな提案をして煙たがられる。ダークスーツを着て就職活動に臨む。
これらの現象は、日本社会にはびこる同調圧力の作用。
誰かが「こうしろ」と命じたわけではないし、みんなで「こうしよう」と合意したわけでもないのに、いつの間にやら蔓延し、私たちの言動を縛ってる。
差別や迫害は他国でも起きてるけど、日本における同調圧力には、同質性の高い人々で構成される「世間」からもたらされるという特徴があるそうな。
「社会」とは似て非なる世間、この閉鎖的な“場”に働きかけて、例えば風通しを良くしたりしようとするのは、かなり難しそう。
同調圧力に屈しない人材を育てようにも、それを行なうべき学校教育こそが、同調圧力の巣窟みたいなものだから。やたらと根深い。
鴻上尚史は「複数の弱い世間に所属する」との対策を述べてるけど、どこか対症療法的。根本的な解決策ではないと思う。
とは言え、同調圧力の理不尽さや窮屈さを認めて「イヤ」と主張する人々が、コロナ禍を経て増えてる模様。将来への希望は持っていたいです…。