平井和正と石森章太郎による『幻魔大戦』の“正統”の続編。全11巻。
先行する小説版やマンガ版の続編群をカバー&フォロー。他の平井作品と石森作品から、往年の名キャラクターたちを続々ゲスト出演させてもいて、豪華というかにぎやかというか。
シリーズを読み継ぎ、続編を待ってたら作者が亡くなり、落胆と諦念を噛み締めるしかなかったファンたちを、強く意識してる模様。
拡散したり内向したりしてた複数の物語を巧みにまとめる一方で、破綻しないよう細部に目配りを利かせてる。
「こーゆーのが読みたかった!」という満足や、「あれがこー絡んでくるなんて!」みたいな驚きがある。
とは言え、拡がった大風呂敷のスケールが、時間的にも空間的にも“億”レベルなだけに、きれいに畳み切るなんて無理だったのかも。
読後「もう少しどーにかならなかったかなぁ…」とのモヤモヤした気持ちが。
それでも、ズルズル延びて未完になったり、ジワジワ劣化して竜頭蛇尾に終わる“大作”が少なくない中、11冊のボリュームで収束と決着と大団円が達成された。そこは大いに評価してます。
気になりつつも手が着けられなかった“宿題”が、数十年を経てようやく片付いた…そんなスッキリ感があるぞ♪