天竺堂の本棚知識・教養

理論や知見の蓄積 醍醐味に触れる40章 『若い読者のための経済学史』

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『若い読者のための経済学史』

 経済学が積み重ねてきた理論や知見が、平明に説かれた好著。

 古代から現代までの世界史に沿って、時系列的・体系的に解説。
 40章が「神の経済」「創造的破壊」「野獣化する銀行家」などと題してコンパクトにまとめてあり、それぞれエッセイみたいに読める。

 長い年月をかけ、さまざまな学説が確立され、検証され、葬られてきたことがよく分かる。それでも、“決定版”みたいな揺るぎない発見は、まだ出てない模様。資本主義の“次”を見出だせてもいないし。
 人類の営みを扱う学問だけに、文明の高度化や社会の複雑化を、ずっと追い続けなきゃならない宿命なのかも。

 大学の経済学部を卒業してる自分が、実際には何も学んでなかったことを思い知らされた。半面、今になって経済学の醍醐味、その一端に触れたような気もする。
 若いころに読んでいれば、有意義な学生時代になってたかも。だけど、若くなくなってから読んでも有意義だと信じたいですw

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