天竺堂の本棚小説

遠未来の植民惑星に“仏陀”出現 『光の王』

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『光の王』

 ロジャー・ゼラズニイの代表作とされる、名高いSF。

 遠未来の植民惑星が舞台。
 その星では、ヒンズー教の神々を民衆が崇める、古代インドっぽい世界が実現してる。
 最初の植民者たちが、未来の科学技術を駆使し、強大な“魔力”を獲得。彼らはシヴァ神やアグニ神などを演じることで、後続の植民者たちを支配し、農耕レベルの文明に留め置いてた。

 ある時、科学技術を解放して自由な社会を創ろうと、1人の神(サム)が下界に降り、民衆へ新たな思想を説き始めた。
 そんなサムを、やがて人々は「マハーサマートマン」「シッダルタ」「仏陀」などと呼ぶようになる……。

 あらすじからして面白いんだけど、読めばもっと面白い。

 神権統治が科学力によって支えられてる舞台設定に加え、仏法の欧米的な解釈とか、仏教説話のSF的な解釈などなど、読みどころが盛りだくさん。
 サムは革命の道具として仏教を導入したのに、弟子の中に仏法を真に理解する“ホンモノ”が現れるとか、散りばめられたエピソードがまた刺激的。

 豊富にして多彩なネタが、叙事詩みたいな物語へ巧みに織り込まれてる。何度読み返しても興趣が尽きません。
 萩尾望都あたりがマンガ化したら、さらに面白くなりそうなw

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