エッセイ

恐慌の災害体験 忘れないために 『コロナの時代の僕ら』

イタリア人作家のエッセイ集。 新型コロナウイルスが同国で拡大してた時期の、不穏さがつのる中での暮らしを、淡々とした筆致でつづる。 著者は合理的メンタリティの持ち主らしく、コロナ禍という災害に対し、科学... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

犯罪者たちの奇縁 新幹線で交錯 『マリアビートル』

東北行きの新幹線に、犯罪業界の連中が乗り合わせる。 有名なプロフェッショナルだったり、無名の元プロだったり、売出し中のルーキーだったり、未完の大器(?)だったり。みんな目的はバラバラだけど、無自覚な奇... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

“主役”はオマエ 熱く鼓舞する物語 『アルケミスト』

学校あたりでは「将来へ夢を持とう」「やりたいことを見付けよう」「ひたむきに頑張ろう」なんて子供に諭したりする。無益とは言わないけど、幸福や栄達を確約するものではない。 半世紀ほど生きてきた経験上、夢と... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

自由? 寂しそう? 感想に変化が 『羊をめぐる冒険』(上・下)

20年以上ぶりに再読。 以前はフツーに読み飛ばしてた箇所に、ふと目が留まったり、共感したり、違和感を覚えたりして、そこが面白い。自分が年を取ったせいかも。 不可解な出来事にほんろうされる主人公は、それ... 【続きを読む】
施設長の学び!

プロ意識は必要だけど…

以前にも書きましたが、福祉業界ではしばしば感情労働が要求されます。 自分の感情を抑え、サービスに従事しなければならない場合が、少なからずあるのです。 職員も人間ですから、支援対象の言動にストレスを覚え... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

“必然”の連鎖? 人類史の流れ 『銃・病原菌・鉄』(上・下)

日本に生まれ、某県某市で暮らしてる私。 民主主義とか科学技術とか、文明の便益をそれなりに享受できてる。一方で、便益が享受できてない国家・地域もたくさんある。 この事実は、私自身の才能や努力とも、日本人... 【続きを読む】
マンガ

首肯するやら 膝を叩くやら 『バーナード嬢曰く。』(5)

読書好きあるあるネタの室内劇マンガも、もう5巻。 なのに、グダグダに陥ることなく、面白さのレベルを維持。むしろ向上してるかも。 「もう/少しだけ/下巻を求められる喜びに/浸らせてください」「ぜひ…/こ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

殺し屋たちの乱闘 奇妙な爽快感 『グラスホッパー』

伊坂幸太郎のピカレスク・ロマン。 個性的な殺し屋たちが、三つ巴、四つ巴になって命を取り合う話。 客観的には、殺伐として陰惨。 なんだけど、独特のドライな雰囲気や、重苦しくならないオフビートなノリ、事態... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

伝奇活劇で描く 原始儒家の姿 『陋巷に在り』(1~13)

酒見賢一の大長編、全13巻。 古代中国の春秋時代、儒教の始祖・孔子の弟子とされる顔回を主人公に据えた、伝奇テイストの物語。 魯国の下町にあるあばら家に暮らし、いつも市中をブラブラしてたという顔回は、な... 【続きを読む】
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