天竺堂の本棚 ~読書は最高の娯楽です~

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主人公が探偵に 社会派ミステリ連作 『希望荘』

宮部みゆきの連作短編集。 甘くはないけど胃腸に優しいプレーンヨーグルトみたいな主人公・杉村三郎が事件に巻き込まれる、社会派ミステリシリーズの一冊。  前作で“逆玉の輿”からドロップアウトしてしまった主... 【続きを読む】
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公教育の威厳薄れ “自明性”が崩壊へ 『学校へ行く意味・休む意味』

不登校の原因をマクロな視点で考察した本。  不登校が年々増加してる背景には、この社会の「子供が学校にかようのは当たり前」という“大前提”あるいは“自明性”みたいなものが、崩壊しかかってる実態があるらし... 【続きを読む】
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馬琴の伝奇巨編 大団円までの執念 『八犬傳』(上・下)

ユニークな切り口で書かれた、山田風太郎による『南総里見八犬伝』。  室町時代後期として設定された物語パートと、それを創作してる江戸時代後期の滝沢馬琴パートが、交互に連なる趣向。 前者は、全98巻106... 【続きを読む】
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“中二病”も赤裸々に 青春時代を述懐 『子どもの頃から哲学者』

教育哲学の専門家が、青春時代を述懐してる本。  承認欲求が強すぎるあまり、高校では生徒会長になって“改革”を連発し、ストレスで円形脱毛症に。大学ではボランティアサークルで突如“人類愛”に目覚め、博愛精... 【続きを読む】
マンガ

巨神兵とラブコメ!? 画期的SFマンガ 『シドニアの騎士』(1~15)

巨神兵みたいな生物兵器の“女の子”が、主人公とラブコメを繰り広げるという、ブッ飛んだシチュエーションを生み出してしまった、実に画期的なSFマンガ。  ノスタルジックな都市を内包した播種船とか、粘菌やク... 【続きを読む】
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足元を支えている 過去の堆積 『ゴールデンスランバー』

大学時代、友達と馬鹿なことばかりやってた。楽しい思い出だけど、もはや思い出しか残ってないし、それも次第にボンヤリしてきてる。  苗字を憶えてる奴は名前が分からず、名前が思い出せる奴は苗字を忘れた。 あ... 【続きを読む】
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大胆不敵な“死人” 痛快爽快な活躍 『死ぬことと見つけたり』(上・下)

武士の修身書『葉隠』を基にした、隆慶一郎の時代小説。 江戸時代初期の佐賀鍋島藩が舞台。  「死んだ気になれば何でもできる」なんて言うけど、それを本気で実践してる武士が主人公。 斬り殺されたり、溺れ死ん... 【続きを読む】
ノンフィクション

驚くべき症例 脳神経科医が紹介 『火星の人類学者』

脳神経科医がユニークな症例を紹介してる本。  盲目が治ったために“視覚”に悩まされることになった人、有能な外科医なのにトゥレット症候群(奇矯な言動が頻発してしまう障害)という人、幼少期に住んでた寒村の... 【続きを読む】
ノンフィクション

三十代・四十代の自死 孤立させられる社会 『助けてと言えない』

「自分の力だけではもう生きていけません。どうか私を助けて下さい」と他人へ頭を下げるためには、“自立できない自分”とか“誰かに依存する自分”を認めなきゃならない。  簡単にできそうだけど、実行するとなる... 【続きを読む】
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