小説

天竺堂の本棚

人工親友から見た人間たち 『クララとお日さま』

 カズオ・イシグロのSF小説。 ノーベル文学賞の受賞後第1作。  舞台は近未来らしい社会で、子供たちの成長に寄り添うAF(人工親友)のクララが主人公。人工知能を搭載した人間型ロボットみ... 【続きを読む】
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いつしか探偵稼業へ 『希望荘』

 宮部みゆきの連作短編集。 甘くはないけど胃腸に優しいプレーンヨーグルトみたいな主人公・杉村三郎が事件に巻き込まれる、社会派ミステリシリーズの一冊。  前作で“逆玉の輿”からドロップア... 【続きを読む】
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不遇の果ての大団円 『八犬傳』(上・下)

 ユニークな切り口で書かれた、山田風太郎による『南総里見八犬伝』。  室町時代後期として設定された物語パートと、それを創作してる江戸時代後期の滝沢馬琴パートが、交互に連なる趣向。 前者... 【続きを読む】
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過去が足元に堆積して 『ゴールデンスランバー』

 大学時代、友達と馬鹿なことばかりやってた。楽しい思い出だけど、もはや思い出しか残ってないし、それも次第にボンヤリしてきてる。  苗字を憶えてる奴は名前が分からず、名前が思い出せる奴は... 【続きを読む】
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大胆不敵な“死人”の活躍 『死ぬことと見つけたり』(上・下)

 武士の修身書『葉隠』を基にした、隆慶一郎の時代小説。 江戸時代初期の佐賀鍋島藩が舞台。  「死んだ気になれば何でもできる」なんて言うけど、それを本気で実践してる武士が主人公。 斬り殺... 【続きを読む】
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惨劇の“その後”描く 『ドクター・スリープ』(上・下)

 文字を読んでトイレに行けなくなるほど怖くなったのは、後にも先にも『シャイニング』だけ。偏執的なほどに密度の濃い文章でもって、恐怖をジワジワと高めてくれた。 本書はその続編。  前作の... 【続きを読む】
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昭和テイストな怪人が 『死仮面』

 折原一の奇妙なミステリ。  急死した夫の謎を探る、妻の物語。少年失踪事件に巻き込まれる、中学生の物語。…ふたつの物語が交互に語られる。  読んでいくうちに、急死した夫が書き残し... 【続きを読む】
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宇宙規模の大風呂敷が 『天冥の標9 ヒトであるヒトとないヒトと』(1・2)

 小川一水の大河SFシリーズ第9部。  再び前進し始めた物語が、クライマックスへと盛り上がっていく。 明らかになった“真相”は、それなりに衝撃的ではあったけど、小さなスケールにまとまっ... 【続きを読む】
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この世の“真実”と“外側” 『天冥の標8 ジャイアント・アーク』(1・2)

 小川一水の大河SFシリーズ第8部。 第2部で何百年も時代をさかのぼり、そこから時系列に語られてきた物語が、第1部につながる。  2分冊の前半は、第1部の物語を別の視点から語り直したも... 【続きを読む】
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