小説

天竺堂の本棚

自分自身からは逃げられない 『利腕』

2番目に読んだ「競馬シリーズ」。  何がツラいと言って、自分自身を裏切って生きる以上にツラいことは、そうないのではなかろうか? 自分がダメであることは、自分がいちばん分かってる。周りの誰にも知られてな... 【続きを読む】
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自分自身で立ち上がるしか無い 『大穴』

初めて読んだ「競馬シリーズ」。  誰だって気高く毅然として生きていたい。それなのに、やっぱニンゲンは弱いから、挫折してしまい、自己嫌悪の沼にハマったりする。  けれど、どんなに自分が嫌いでも、立ち上が... 【続きを読む】
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奇怪な膜に包まれた地球 『時間封鎖』(上・下)

読み応え満点のSF大作。  地球が突然、謎の黒い膜でスッポリ覆われてしまい、膜外では時間が1億倍の速さで流れだす。 このままでは、膜内で数十年が経つ間に太陽が老いて巨星となり、地球を呑み込んでしまうこ... 【続きを読む】
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“水戸の御老公”の生涯描く 『光圀伝』

水戸光圀の生涯を描いた歴史小説。  隠居の身である光圀が、重臣を殺害するという、謎めいた場面で始まる。 そして物語は少年時代までさかのぼり、傾奇者だった青年期から、文事に励む壮年期、歴史書『大日本史』... 【続きを読む】
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巨匠の遺作 壮大なハードSF 『虚無回廊』

巨匠による未完の遺作。  太陽系外に出現した、超巨大な円筒体(長さ2光年!)。それを探査すべく、人工実存(AI以上!)を搭載した宇宙船が向かうという、壮大なハードSF。  謎の円筒体は、知性を持つ生物... 【続きを読む】
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シュルレアリスムの冒険譚 『類推の山』

フランスのシュルレアリスム文学。  エベレストよりもはるかに高く、天上にまでそびえてるという“類推の山”。 あらゆる山々の存在、地球全体のバランス、古来の神話や伝承などを参考に、「この世のどこかに存在... 【続きを読む】
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ゾンビが闊歩する“スチームパンク” 『屍者の帝国』

伊藤計劃が遺したプロローグを、円城塔が書き上げたSF大作。  フランケンシュタインの死体蘇生技術が普及した、奇怪な19世紀を描く。ある種の“スチームパンク”かな。 死体はゾンビ化され、兵士や御者、フォ... 【続きを読む】
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信長の跡目争い 軽妙な会話劇 『清須会議』

信長没後の跡目争いを、登場人物たちのモノローグ(現代語訳)でつづった時代小説。  武将や姫たちの会話の端々に、それぞれの思惑がうかがえたりする。コミカルで軽妙なやりとりの描き方が、とても巧み。  立ち... 【続きを読む】
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