天竺堂の本棚 明治の書舗で “本”めぐるサスペンス 『書楼弔堂 炎昼』 京極夏彦のオムニバス短編シリーズ第2弾。 本が好きな人が、本が好きな人へ向けて書いてるような物語。 本とは何なのか? 本を読むことで何が得られるのか? …そんなモロモロが、物語に織り込まれてる感じ。... 【続きを読む】 2017.01.06 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 「大菩薩峠」をリブート 夢枕版のチャンバラ 『ヤマンタカ』 夢枕獏による、中里介山『大菩薩峠』のリブート作。 主人公は、新選組副長の土方歳三。京都に出立する以前、薬の行商人をしていたころ。 自分の若さを持て余してる歳三が、「音無しの構え」を使う魔剣士・机龍之... 【続きを読む】 2017.01.04 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ピアニストの登竜門 4人の挑戦描く 『蜜蜂と遠雷』 恩田陸の音楽小説(?)。 ピアニストの登竜門として知られる国際コンクールが舞台。異なる立場、異なる思惑、異なる才能を持ったコンテスタント男女4人、それぞれの挑戦を描く。 ピアノが奏でる楽曲を文章で... 【続きを読む】 2016.12.27 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 怪異と不条理の奇譚集 『夜行』 森見登美彦のオムニバス的な奇譚集。 10年ぶりに集まった5人の男女が、奇妙な体験を語り合う。 エピソードは多様だけど、失踪した女友達や、夭逝した銅版画家による連作「夜行」など、共通の背景がある。 ... 【続きを読む】 2016.12.25 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 人生俯瞰する主人公 諦念漂う名作SF 『スローターハウス5』 カート・ヴォネガットの自伝的(?)SF。 時間の流れから解き放たれた主人公が、みずからの人生をランダムに俯瞰する。 第二次大戦に出兵して猛爆撃に遭ったり、思いがけず大富豪になったり、奇妙な異星人に拉... 【続きを読む】 2016.12.16 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 異能の主人公 読ませるサスペンス 『脳男』 連続爆破事件の爆弾魔を追い詰めていた警官隊の前に、突如現れた青年・鈴木一郎をめぐるサスペンス。 脇役が不自然なほどに個性的だったり、設定や描写の細かいところと雑なところの落差が大きかったり。 何とも... 【続きを読む】 2016.12.13 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 宇宙戦争の輪郭 浮き彫りにする短編集 『航空宇宙軍史・完全版』(二) 谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編第2巻。短編集2冊の合本。 前巻で開戦時のエピソードが語られた第一次外惑星動乱、その大戦の輪郭を、太陽系各所での大小さまざまな戦いを通して浮き彫りに... 【続きを読む】 2016.11.27 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 新たな動乱が迫る 航空宇宙軍史の続編 『コロンビア・ゼロ』 谷甲州による「航空宇宙軍史」シリーズ22年ぶりの新作。 地球-月連合と外惑星連合が激突した第一次外惑星動乱から40年後を描いた、オムニバス短編集。 外惑星連合諸国が敗戦から復興し、戦勝国との摩擦が再... 【続きを読む】 2016.11.16 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 渋さがクセになる 連作SF戦記 『航空宇宙軍史・完全版』(一) 谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編。その第1巻は、長編2本がまとめられた、お得な一冊。 人類が太陽系へ進出してる未来世界を舞台にした、連作の戦記モノ。 なんだけど、“スペースオペラ”... 【続きを読む】 2016.11.07 天竺堂の本棚小説