天竺堂の本棚 遠野舞台に描き出す 怪異のメカニズム 『遠巷説百物語』 お化けや妖怪などの、不可思議なものたち。 現実に在るとは思えない。けれど、目撃や遭遇などの体験談が少なからず伝えられてるからには、まったくのデタラメ、絵空事というわけでもなさそう。 これはどういうこと... 【続きを読む】 2022.01.25 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 犯罪捜査の現場 緊迫感みなぎる短編集 『第三の時効』 やたらと仕事ができて、自分にも他人にも厳しい……そんな人材がいる職場は、成績は上がるだろうけど、一緒に働かなきゃならない身としてはなかなかにツラい。 そこが警察みたいな、仕事自体が“社会正義”を体現し... 【続きを読む】 2022.01.22 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 “納得”引き出す奇策 それが妖怪 『前巷説百物語』 罪なき人命が失われる事件が起きた時、しでかした者に対し、「殺してしまえ」「こんな奴は死刑だ」なんて声が上がったりする。 犯人の命を奪えば、遺族らの憎悪や悲哀は一時的に治まるかもしれない。 それでも、事... 【続きを読む】 2022.01.16 天竺堂の本棚小説
雑記あれこれ 『純粋理性批判』読解記(その7)読書ノートに記入する 『純粋理性批判』を読み進めながら。重要に思える箇所や、自分なりに理解したことなどを、段落ごとに読書ノートへ書き込んでいきます。 ノートのページは、あらかじめ縦に4分割しています。 この4分割は、左から... 【続きを読む】 2022.01.15 雑記あれこれ
天竺堂の本棚 道具も舞台も…何かとデカいSF短編集 『円』 SF大作『三体』著者による短編集。全13話。 表題作は、不死の秘密を求める始皇帝が、秦の大軍勢でもって“人間コンピューター”を創り出すという物語。 この他、シロナガスクジラを操って麻薬密輸に及ぶ話とか... 【続きを読む】 2021.12.28 天竺堂の本棚小説
施設長の学び! 引き出しと組み合わせ ウチの施設を利用し始めたばかりのAさんについて。 私が「どんな人?」と訊くと、現場の職員たちは、古参の利用者さんを例に「フレンドリーなBさんという感じでしょうか」「Cさんを用心深くしたような印象ですね... 【続きを読む】 2021.12.14 施設長の学び!考え・気付き
天竺堂の本棚 高尚で立派か? 引きこもりか? 『失われた岬』 深山幽谷の草庵で、悠然と思索にふけったり。洞窟や僧房の暗がりで、無我の境地を求めたり。有機無農薬栽培の作物を食べ、天然繊維の簡素な服を着て、スピリチュアルな仲間と晴耕雨読の共同生活をおくったり。 …こ... 【続きを読む】 2021.12.10 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 密林での戦い ケレン味要素も 『機龍警察 白骨街道』 シリーズ6作目。 ミャンマーの密林での過酷な強行軍と、兵器開発をめぐる汚職事件の捜査が、交互に展開していく。どちらもスリリングで読ませます。 今回は、機甲兵装に絡むところに、“十二神将”や“八部衆”み... 【続きを読む】 2021.11.29 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ミステリ1冊分 作中作で封入 『ヨルガオ殺人事件』(上・下) ミステリーを読む時は虚心坦懐を心がけてる。と言えばキザだけど、つまりは謎解きをあきらめてる。 読みながら手がかりを探し出し、トリックやミスリードを見破り、犯人を突き止める…なんて作業は登場人物に任せて... 【続きを読む】 2021.11.19 天竺堂の本棚小説