ノンフィクション

団地の小学校覆う 全体主義の影 『滝山コミューン 一九七四』

政治思想史の研究者が、子供時代のつらい記憶と向き合った、異色のノンフィクション。  1970年代。首都圏郊外のマンモス団地に住む、公立小学校の児童だった著者は、赴任してきた若手教師が持ち込んだ教育手法... 【続きを読む】
施設長の学び!

変えられるのは生育歴

障害者への支援について、個々人の知見に基いた“理論”を、しばしば耳にします。 エビデンスの裏付けはないにせよ、支援者らが経験を重ねてきた上での意見であれば、傾聴に値するものも少なくありません。  先日... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

理論や知見の蓄積 醍醐味に触れる40章 『若い読者のための経済学史』

経済学が積み重ねてきた理論や知見が、平明に説かれた好著。  古代から現代までの世界史に沿って、時系列的・体系的に解説。 40章が「神の経済」「創造的破壊」「野獣化する銀行家」などと題してコンパクトにま... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

奇妙で異様で不気味で 余韻ある16篇 『不思議の森のアリス』

リチャード・バートン・マシスンの短編集。 “ホラー”とか“ダーク・ファンタジー”に当たるらしい、奇妙で異様で不気味で、何とも独特な16編。  玉石混交っぽいけど、“玉”に相当する方は、“石”を補って余... 【続きを読む】
ノンフィクション

天才か?礎か? 迫られる藝大生たち  『最後の秘境 東京藝大』

東京藝術大学についてのルポルタージュ。 著者は作家で、妻が現役の藝大生であることが、執筆の動機になったそうな。  学内のさまざまな学部を見て回りながら、“学業”に励んでる学生たちにインタビュー。 奇妙... 【続きを読む】
ノンフィクション

賛美で正当化される 軍首脳の無能 『不死身の特攻兵』

劇作家の鴻上尚史によるルポルタージュ。  第二次大戦末期、日本陸軍の特攻兵として爆撃機で9回出撃し、生還したパイロットがいた。 そのことに興味を抱いてた著者が、当人が存命と知って所在を探し当て、インタ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

ヒロイン苦しめる 呪われた血族 『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』(上・下)

唐突だけど、往年の刑事ドラマ「Gメン’75」の連作“黒谷町シリーズ”を思い出した。  手斧を振り回す殺人鬼・望月源治(蟹江敬三)と、立花刑事(若林豪)の対決には、ハラハラさせられっぱなしだった。 逮捕... 【続きを読む】
マンガ

引退スーパーヒーロー NYで探偵稼業 『ジェシカ・ジョーンズ:エイリアス AKA 謎の依頼者』

マーベルのアメリカンコミック。 アダルト向けのレーベルから出てるけど、スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」などが活躍してる世界が舞台。  かつてアベンジャーズのメンバーだったジェシカは、派手なコス... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

暴力肯定の未来 思考実験として読める 『宇宙の戦士〔新訳版〕』

ハインラインの名作SF。 裕福なボンボンだった青年が、ひょんなことから地球連邦軍に志願し、機動歩兵として鍛えられていく様子が活き活きと描かれてる。まさに“読むブートキャンプ”。  ひさしぶりに、新訳版... 【続きを読む】
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