天竺堂の本棚

翻弄される人生 諦念もたらす名作SF 『タイタンの妖女』

未来のことなんて分からない。予想はできるけど、予想しかできない。 かつて自分が「こうなればいいなぁ」と願ってたモロモロは、かなったり、かなわなかったり。どちらかと言うと、かなわなかったことの方が多いよ... 【続きを読む】
施設長の学び!

甘えている…? わがまま…?

「あの人は甘えている」「態度がわがままだ」 障害のある人たちについて語られる場で、しばしば耳にする言葉です。 言っている人たちの多くは、障害への理解が不充分なのでしょう。 福祉的支援の現場においても、... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

欲望極めた果てに “鬼の副長”誕生へ 『ヒトごろし』

よく「好きなことを仕事にしよう」なんて言う。それをトコトン実践し、「新選組」を結成してしまったのが、本書の主人公・土方歳三。 幼少期に出くわした斬殺の光景に魅せられて以来、歳三は「人を斬り殺したい」と... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

死体や狂人、カルト集団… 面白すぎる 『エジプト十字架の秘密』

名高い「国名シリーズ」の5作目。クイーンの代表作にも数えられるとか。 磔にされた首無し死体。古代エジプトの太陽神を名乗る狂人。孤島にひそむヌーディストのカルト集団。ヨーロッパの旧家に伝わる宿怨。渋いス... 【続きを読む】
施設長の学び!

きっかけですが、目的ではありません

私にはダウン症の実弟がいます。 当サイトでは何度も触れているので、詳細はそちらをお読み下さい。 現時点で、弟は40歳代の後半。心身の能力が年々低下し、近ごろは認知症に似た言動も見られます。 弟は地域生... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

奴隷を逃がす “奇跡”のトンネル網 『地下鉄道』

沢木耕太郎の『深夜特急』に、旅人を乗せてユーラシア大陸の闇夜を走る特急列車なんか出てこない。 ところが、本書には「地下鉄道」そのものが登場する。 本来は、19世紀アメリカにおいて、黒人奴隷たちを南部諸... 【続きを読む】
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イラっとくるやらガッカリするやら恥ずかしいやら 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

主人公は鈍感なんじゃなかろうか? 人生の重大な岐路が迫っていても、相手が繊細な内面を明かしてきても、ありのままに認識することなく、夢や幻みたいな“不思議な出来事”として捉えてしまう。で、後になって「あ... 【続きを読む】
施設長の学び!

“頼る”ために“頼られる”

障害者就労に関する研修で、興味深い講話を聴きました。 お話しされたのは、複数の障害者施設を持っている法人の理事長さん。 弟さんに知的障害があることがきっかけで、福祉の業界に飛び込んだそうです。 現在、... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

サスペンスがテンコ盛り 怒涛の展開 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』(上・下)

前作からそのまま続き、怒涛の展開が待ってる。 ただし、大暴れしたヒロインのリスベットは、本作ではあまり動かない(動けない)。 国家を揺るがす陰謀と戦う主人公たちのグループと、その陰謀を画策した秘密組織... 【続きを読む】
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