天竺堂の本棚

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読み込める魅力 祝祭日にちなむ短編集 『ジーン・ウルフの記念日の本』

アメリカの祝祭日にちなんで編まれた18の短編集。 いささか奇妙な物語が“前景”にあって、同時に“後景”では重要な何かが進行してる…というウルフならではの話が多いんだけど、本書は比較的読みやすい部類かも... 【続きを読む】
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ミステリ作家の機知 学生との問答集 『臨機応答・変問自在』

ミステリ作家の森博嗣による、ユニークな問答集。 名古屋大工学部の助教授だったころ、授業の一環として学生たちから質問を募り、これらにいちいち回答してたそうな。 その中から、読み物として楽しめる問答を抜き... 【続きを読む】
その他

陰々滅々の絵本 奇妙な安らぎが 『おぞましい二人』

しばしば起きる幼児虐待の事件。 詳細を知ると心が潰れそうになるし、報道の見出しが目に入るだけでも不快になる。 なのに、2児の親である自分の中には、虐待をしでかした連中に通じるものが、確かにある。事件の... 【続きを読む】
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旧ソ連の暗黒史に重なる 舞踏教師の生涯 『オリガ・モリソヴナの反語法』

米原万里の長編小説。 著者がモデルと思われる日本人女性が、少女時代を過ごしたプラハのソビエト学校で出会った舞踊教師の消息をたずね、民主化後のモスクワをさまよう。ミステリ仕立ての物語。 教師が歩いた波乱... 【続きを読む】
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時代を、社会を、自分を語る書評 『打ちのめされるようなすごい本』

米原万里の書評集。 前半が週刊誌の連載コラム、後半は新聞や雑誌への寄稿文。 ロシア語の同時通訳で活躍した著者だけに、旧ソ連や東欧に関するノンフィクションを数多く紹介。知らない本ばかりなので、かえって新... 【続きを読む】
マンガ

ヒーロー誕生譚 ハードボイルドな傑作 『デアデビル:マン・ウィズアウト・フィアー』

アメリカンコミックのスーパーヒーロー「デアデビル」のオリジン(誕生秘話)。 デアデビルの“正体”は、ニューヨークで働く弁護士のマット・マードック。 盲目だけど、他の感覚がレーダーみたいに鋭敏。ボクシン... 【続きを読む】
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密室殺人の弁護 二転三転する法廷劇 『ユダの窓』

ドアに鍵が掛かり、窓にシャッターが下りてる執務室。 老人を訪ねてきた青年。老人から酒を勧められ、グラスに口を付けた青年は突然、気を失って昏倒。 しばらくして青年が目覚めると、部屋の壁に飾られてたはずの... 【続きを読む】
マンガ

読書好き“あるある” ツボ押しまくる 『バーナード嬢曰く。』(1、2)

“読書ギャグ”とも言うべき新分野を開拓したマンガ。 周りから読書家と見られたいけれど、労力は最小限で済ませたいという、お調子者の女子高校生が主人公。 「『へぇこれ文庫化したんだー』とハードカバー版でと... 【続きを読む】
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社会的枠組みに着目 問題解決へ成果 『あなたへの社会構成主義』

社会構成主義(社会構築主義)という社会学方面の考え方について、丁寧に解説してある本。 世間一般に「事実だ」「真理だ」「常識だ」と信じられてるモノゴトには、私たちの文化や歴史、伝統、価値観などが密接に関... 【続きを読む】
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