天竺堂の本棚

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謎の“商人” 富次郎の前に 『魂手形』

宮部みゆきのライフワーク的な伝奇シリーズ、その第7巻。 百物語の聴き手である富次郎は、聴き終えた物語にちなんだ絵を描くことを自分に課してる。 モチーフの選択が毎回、ナナメ上あたりにズレてるように思える... 【続きを読む】
エッセイ

勘頼りに飛び込み 飲食店での“冒険” 『面(ジャケ)食い』

久住昌之の食べ歩きエッセイ。 タイトルの「面(ジャケ)食い」とは、知らない土地で飲食店を訪ねる際、自分の勘だけを頼りに飛び込んでみること。レコードの「ジャケ買い」をもじった言葉らしい。 著者が全国各地... 【続きを読む】
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人間たち受け容れる 人工親友の健気さ 『クララとお日さま』

カズオ・イシグロのSF小説。 ノーベル文学賞の受賞後第1作。 舞台は近未来らしい社会で、子供たちの成長に寄り添うAF(人工親友)のクララが主人公。人工知能を搭載した人間型ロボットみたいなもので、太陽光... 【続きを読む】
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マンガ

ブロンプトンの魅力 マンガで伝える 『おりたたみ自転車はじめました』

折りたたみ自転車の魅力が詰まった、エッセイ風のマンガ。 主人公である作者は、折りたたみ自転車を手に入れたことで、仕事などで煮詰まりかけてた生活が一変する。 自宅から5キロ程度のポタリングに始まり、活動... 【続きを読む】
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奇妙なユーモア 針小棒大から狂乱へ 『かつどん協議会』

カツ丼において最も重要な要素は何か? 豚肉や玉子や米などの業界団体の代表たちが集まり、屁理屈やプライドを戦わせるという、奇妙な中編小説が表題作。 東海林さだおとか久住昌之に通じる針小棒大なテイストなん... 【続きを読む】
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硬派テイスト 異色のミリタリーSF 『星系出雲の兵站』(1~4)

兵站を前面に打ち出してる、異色のミリタリーSF。 遠未来の植民星系を舞台にした、未知なる存在の侵略行為に対抗する、軍事組織や統治機構での群像劇。 戦争での補給や備蓄管理などの後方支援が兵站で、作中では... 【続きを読む】
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どんでん返し 相棒に降りかかる 『その裁きは死』

面白いミステリーにどんでん返しは付きモノ。 そして、探偵に相棒がいる場合、どんでん返しは相棒へ降りかかる。 なぜならば相棒である“ワトソン役”は、読者の側に立って、事件の謎に翻弄されたり、事件の真相に... 【続きを読む】
ビジネス

費用や労力 無駄にしないために 『凡人のための地域再生入門』

某地方都市に住んでる私。 中心部にある商店街は、近郊にショッピングモールが建ったころから、徐々に寂しくなってる。 かつて数年にわたり、行政主導で中心市街地活性化の事業が進められたが、効果のほどはよく分... 【続きを読む】
ノンフィクション

国内最難関 目標は医者なのか…? 『東大医学部』

中学時代のクラスメイトT君は、校区内にあった進学塾の息子で、そのせいか勉強ができた。 テストの成績は、常に学年トップ。公立中学の授業には興味がないらしく、くり抜いた教科書に別の本をハメ込み、独自の勉強... 【続きを読む】
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