天竺堂の本棚 ~読書は最高の娯楽です~

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巨大マンション 弱肉強食の空間に 『ハイ・ライズ』

J・G・バラードによる、純文学みたいなSF。  英ロンドンの郊外に建てられた、40階建て1000戸という巨大な分譲マンションが舞台。内部にはスーパーマーケットやプール、レストラン、学校などが整備されて... 【続きを読む】
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空気感や心情 学生時代がよみがえる 『四畳半神話大系』

人生も半世紀を過ぎたというのに、過去にしでかしたアレコレの思い出に、しばしば悩まされる。 もう関係者は忘れていて、ウジウジこだわってるのは私だけなんだろうけど、どうにも頭から離れない。このまま長期記憶... 【続きを読む】
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「ドット型王国」へ 縮みゆく社会 『未来の地図帳』

将来の日本について、ひとつの具体像を示してる本。  各種の統計データなどから導き出される必然として、もはや人口減少と東京一極集中は止められない。 これに対し、著者は「戦略的に縮む」と提言。  行政区の... 【続きを読む】
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障害者の価値 伝え続ける意義 『なぜ人と人とは支え合うのか』

『こんな夜更けにバナナかよ』で知られるノンフィクション作家が、相模原障害者施設殺傷事件を経て、福祉の意義や障害者の価値などについて述べてる本。  世間には「障害者って、生きている価値があるんでしょうか... 【続きを読む】
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英国版の令嬢戦隊? アベンジャーズ娘? 『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』

英ビクトリア朝のロンドンを舞台にした“スチームパンク”作品群のひとつ。  主人公はジキル博士の娘で、これにハイド氏の娘(つまり異母妹)と、モロー博士の娘、フランケンシュタイン博士の娘、ラパチーニ教授の... 【続きを読む】
エッセイ

食の印象や感動 前向きに捉えたい 『おなかがすいたハラペコだ。』(1・2)

椎名誠の食エッセイ。正続2冊を一気読み。  世界各地に足を運び、あれこれ見聞きし、食べてきた著者だけに、話題豊富にしてネタどっさり。 のはずなのに、同じような話が頻出してる。  「高齢者の繰り言」とか... 【続きを読む】
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史強に嫁を見付けてほしい 『三体2 黒暗森林』(上・下)

話題のSF巨編、第2弾。  地球侵攻の壮大さとか、面壁者と破壁人の頭脳戦とか、未来社会の変わりようとか、宇宙社会学の興趣とか、読みどころがテンコ盛り。 ページをめくる手が止まりませんでした。  それは... 【続きを読む】
マンガ

業界の実際 芸人がマンガで紹介 『ゴミ清掃員の日常』

ゴミ回収・処理の舞台裏を描いたエッセイ風のマンガ。 著者は中堅(?)のお笑い芸人で、妻の出産に際して安定収入を確保すべく、副業でゴミ清掃員に。ホノボノとした素朴な作画は、妻の担当。  年齢制限がなかっ... 【続きを読む】
エッセイ

弱さや惨めさ肯定 “後退”の啓発本 『あやうく一生懸命生きるところだった』

ユニークな自己啓発本。と言うか、むしろ“後退”を指向してるエッセイ。  著者は40代の韓国人男性。 3浪して難関美大に入学、兵役を経て30歳で卒業し、会社員とイラストレーターを兼業するも、どちらにもヤ... 【続きを読む】
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