天竺堂の本棚 主役より忙しい? 相棒役の著者 『メインテーマは殺人』 シャーロック・ホームズの友人・ワトソン博士とか、明智小五郎の助手・小林少年とか、バットマンの弟子・ロビンとか…。 彼ら“相棒”は意外と忙しい。 事件の謎に対して強引な憶測を展開し、物語の行方をミスリー... 【続きを読む】 2020.11.01 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 格差や分断生む 資本主義の問題 『日本列島回復論』 商品やサービスを提供する際、しばしば「差別化をしよう」とか言う。競合との差別化ができれば、値下げ競争におちいらずに済むから。 ところが、そのあたりに資本主義の大きな問題があると著者は述べる。 ライバル... 【続きを読む】 2020.10.27 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 私たちの言動縛る 閉鎖的な“場” 『同調圧力』 犯罪者の親族へ非難が集まる。部活で先輩への服従を強いられる。会議で前向きな提案をして煙たがられる。ダークスーツを着て就職活動に臨む。 これらの現象は、日本社会にはびこる同調圧力の作用。 誰かが「こうし... 【続きを読む】 2020.10.16 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 ケレン味あふれる将棋ミステリ 『死神の棋譜』 とても現実とは思えない、常識では考えられない…そんな殺人事件が、現実的で常識的な決着を迎えるというのが、ミステリーのひとつの定形だろう。 本書は奥泉光による、将棋界を舞台にしたミステリー。 矢文で届け... 【続きを読む】 2020.10.13 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ドライな死生観 戦国忍者の闘い 『忍びの国』 忍者って、超能力者かミュータントかというド派手なものから、農民以上盗賊未満ほどの地味なものまで、いろんな描かれ方がある。 戦国時代に忍者と武士が激突した「天正伊賀の乱」を扱ってる本書では、登場する忍者... 【続きを読む】 2020.10.08 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 テロ行為に至る メカニズム考察 『歪んだ正義』 アニメや特撮などのヒーロードラマに登場する悪役たち。ドラマを観るに、その大多数には「悪いことをしてる」との自覚がある模様。 だけど現実の、凶悪なテロ事件を起こした実行犯たちは、マスコミへ「これは聖戦な... 【続きを読む】 2020.10.05 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 巨大マンション 弱肉強食の空間に 『ハイ・ライズ』 J・G・バラードによる、純文学みたいなSF。 英ロンドンの郊外に建てられた、40階建て1000戸という巨大な分譲マンションが舞台。内部にはスーパーマーケットやプール、レストラン、学校などが整備されてる... 【続きを読む】 2020.09.24 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 空気感や心情 学生時代がよみがえる 『四畳半神話大系』 人生も半世紀を過ぎたというのに、過去にしでかしたアレコレの思い出に、しばしば悩まされる。 もう関係者は忘れていて、ウジウジこだわってるのは私だけなんだろうけど、どうにも頭から離れない。このまま長期記憶... 【続きを読む】 2020.09.14 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 「ドット型王国」へ 縮みゆく社会 『未来の地図帳』 将来の日本について、ひとつの具体像を示してる本。 各種の統計データなどから導き出される必然として、もはや人口減少と東京一極集中は止められない。 これに対し、著者は「戦略的に縮む」と提言。 行政区の枠を... 【続きを読む】 2020.09.10 天竺堂の本棚知識・教養