小説

天竺堂の本棚

カタストロフ招く 賤民たちの怒り 『天冥の標6 宿怨』(1~3)

小川一水の大河SFシリーズ第6部。 全10部で構想される本シリーズは、半ばを過ぎて大きな転換点を迎える。 物語を引っ張るのは、致死性のウイルスを撒き散らすために賤民のように扱われてる患者集団「救世群」... 【続きを読む】
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宇宙規模の背景 徐々に明らかに 『天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河』

小川一水の大河SFシリーズ第5部。 小惑星にある農場で日々の仕事に追われる、男やもめの農夫が主人公。 低重力の閉鎖環境で営まれる農業の様子とか、従事してる農民たちの暮らしぶりなどが、詳細に描かれていて... 【続きを読む】
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SF版の「金瓶梅」? 「好色一代男」? 『天冥の標4 機械じかけの子息たち』

小川一水の大河SFシリーズ第4部。 前作と舞台は共通してるものの、作風はまたも一転。 自律してるアンドロイドたちが棲む小惑星世界に迷い込んだ、青年の成長物語。 …とも言えるんだけど、実態はSF版の『金... 【続きを読む】
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舞台は小惑星帯 熱いスペースオペラ 『天冥の標3 アウレーリア一統』

小川一水の大河SFシリーズ第3部。 近未来(ほぼ現代)のパニック小説っぽい前作から一転、未来の小惑星帯を舞台にしたスペースオペラに。 木星の大赤斑で発見された古代遺跡をめぐり、宇宙海賊たちの組織と、そ... 【続きを読む】
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連続殺人鬼の主人公 模倣犯を追う 『ハサミ男』

殊能将之のミステリ。 世間から「ハサミ男」として恐れられるシリアル・キラー(連続殺人鬼)が主人公。 このハサミ男の人物造形が秀逸。犯行の動機がスッポ抜けてたり、強い自殺願望を持ってたり、ツッコミ役みた... 【続きを読む】
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パンデミックの激動 骨太に描く 『天冥の標2 救世群』

小川一水の大河SFシリーズ第2部。 前作は未来の植民惑星が舞台だったけど、本作は近未来(ほぼ現代)の地球での話。 東南アジアに出現した未知の疫病が、世界中に蔓延。人類の未来を大きく変えていく。 パンデ... 【続きを読む】
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植民惑星での動乱 大河SFの開幕編 『天冥の標1 メニー・メニー・シープ』(上・下)

小川一水による大河SFの開幕編。 時は29世紀。植民惑星で起きた、圧制者とレジスタンスの激突を描く。 ところが、そんな革命や動乱という“前景”をよそに、もっと重大で深刻そうな事態が、どこか背後で進展し... 【続きを読む】
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軽妙な短編集 “チャンプ本”の思い出も 『バールのようなもの』

清水義範の短編小説集。 エッセイ風あり、パスティーシュ(文体模倣)あり、人間観察に基づいた業界裏話(?)あり、どれも軽妙な12編。 表題作は、テレビや新聞の事件報道にしばしば登場する「バールのようなも... 【続きを読む】
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読み込める魅力 祝祭日にちなむ短編集 『ジーン・ウルフの記念日の本』

アメリカの祝祭日にちなんで編まれた18の短編集。 いささか奇妙な物語が“前景”にあって、同時に“後景”では重要な何かが進行してる…というウルフならではの話が多いんだけど、本書は比較的読みやすい部類かも... 【続きを読む】
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