天竺堂の本棚

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明治の書舗で “本”めぐるサスペンス 『書楼弔堂 炎昼』

京極夏彦のオムニバス短編シリーズ第2弾。 本が好きな人が、本が好きな人へ向けて書いてるような物語。 本とは何なのか? 本を読むことで何が得られるのか? …そんなモロモロが、物語に織り込まれてる感じ。 ... 【続きを読む】
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「大菩薩峠」をリブート 夢枕版のチャンバラ 『ヤマンタカ』

夢枕獏による、中里介山『大菩薩峠』のリブート作。 主人公は、新選組副長の土方歳三。京都に出立する以前、薬の行商人をしていたころ。 自分の若さを持て余してる歳三が、「音無しの構え」を使う魔剣士・机龍之介... 【続きを読む】
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ピアニストの登竜門 4人の挑戦描く 『蜜蜂と遠雷』

恩田陸の音楽小説(?)。 ピアニストの登竜門として知られる国際コンクールが舞台。異なる立場、異なる思惑、異なる才能を持ったコンテスタント男女4人、それぞれの挑戦を描く。 ピアノが奏でる楽曲を文章で伝え... 【続きを読む】
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怪異と不条理の奇譚集  『夜行』

森見登美彦のオムニバス的な奇譚集。 10年ぶりに集まった5人の男女が、奇妙な体験を語り合う。 エピソードは多様だけど、失踪した女友達や、夭逝した銅版画家による連作「夜行」など、共通の背景がある。 現実... 【続きを読む】
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人生俯瞰する主人公 諦念漂う名作SF 『スローターハウス5』

カート・ヴォネガットの自伝的(?)SF。 時間の流れから解き放たれた主人公が、みずからの人生をランダムに俯瞰する。 第二次大戦に出兵して猛爆撃に遭ったり、思いがけず大富豪になったり、奇妙な異星人に拉致... 【続きを読む】
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異能の主人公 読ませるサスペンス 『脳男』

連続爆破事件の爆弾魔を追い詰めていた警官隊の前に、突如現れた青年・鈴木一郎をめぐるサスペンス。 脇役が不自然なほどに個性的だったり、設定や描写の細かいところと雑なところの落差が大きかったり。 何ともバ... 【続きを読む】
マンガ

小ネタ満載 微苦笑の読書ギャグ 『バーナード嬢曰く。』(3)

読む手間を最低限にしつつ、読書家として認められたい、見栄っ張りな女子高校生が主人公。…のはずなんだけど、3巻では読書量が増えつつある模様。 「叙述トリックものミステリとの出会い方」とか「へー/こんな表... 【続きを読む】
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アインシュタインとフロイトの往復書簡 『ひとはなぜ戦争をするのか』

アインシュタインとフロイトの往復書簡をまとめた本。 時は1932年、第一次世界大戦は終わったけど、ヨーロッパにナチズムが台頭し始めてるころ。 国際連盟から「もっとも大切と思える命題について、相手を好き... 【続きを読む】
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宇宙戦争の輪郭 浮き彫りにする短編集 『航空宇宙軍史・完全版』(二)

谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編第2巻。短編集2冊の合本。 前巻で開戦時のエピソードが語られた第一次外惑星動乱、その大戦の輪郭を、太陽系各所での大小さまざまな戦いを通して浮き彫りにす... 【続きを読む】
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