天竺堂の本棚

エッセイ

西欧と向き合う 若き日本人 『ヨーロッパ退屈日記』

マルチな才人だった伊丹十三の、若き日のエッセイ集。 俳優として洋画『北京の55日』に出演した時の、ヨーロッパでの滞在生活を記してる。 内容にも文章にも、独特のクセがある。 ウンチクとキザとコダワリと自... 【続きを読む】
マンガ

哲学者や思想家をギャグマンガに『現代思想の遭難者たち』

近・現代に活躍した哲学者や思想家たちの業績などをネタにした、いしいひさいちのギャグマンガ。 ある程度の知識がないと何が面白いのか分からない、難解な4コママンガがあったりもする。 何とも高度で先鋭的。笑... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

自由とは? 労働とは? 思考実験の世界 『所有せざる人々』

アーシュラ・K・ル=グウィンの長編SF。 舞台はふたつの惑星。 ひとつは、過酷な風土の中、アナーキストたちが相互扶助によって暮らす、惑星アナレス。もうひとつは、肥沃な自然に恵まれ、資本主義経済が栄えて... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

確度が高い 近未来の予測 『21世紀の歴史』

フランスの経済・政治学者ジャック・アタリが、2050~2100年ごろを予測してる本。 本書によると近い将来、国家の枠を超えた資本主義の「超帝国」が出現する。そうして、地域紛争がエスカレートした「超紛争... 【続きを読む】
エッセイ

笑ったり感心したりのエッセイ集 『さらば東京タワー』

朝日の『丸かじり』と双璧をなす、東海林さだおのもうひとつのエッセイシリーズ。文春です。 掃除ロボット「ルンバ」を導入したことを、“部下ができた自分”として意識するという、アクロバティックな発想には大い... 【続きを読む】
エッセイ

東海道を2年かけて“散歩” 『野武士、西へ』

東京から大阪までを“散歩”した、久住昌之のエッセイ。 下調べなどはせず、気まぐれに寄り道などをしながら、マイペースに進む。 くたびれたら無理をせずに中断し、鉄道で帰宅。そして後日、中断した地点まで鉄道... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

「ゲド戦記」の世界観深める短篇集 『ドラゴンフライ』

『ゲド戦記』の外伝に当たる短篇集。全5編。 舞台となる「アースシー」の各時代、各地域のエピソードを、ディテール細かく描き出す。作品の世界観をグッと深めてくれる。 語り口は淡々としてるのに、不思議な重厚... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

知的書評合戦のルールなど紹介 『ビブリオバトル』

書評を競わせる知的ゲーム「ビブリオバトル」のガイドブック。 ルールや楽しみ方に加え、京都大の大学院で考案された歴史や、全国で大会が開かれるようになった現状なども紹介してる。 本が好きな人なら、読書が好... 【続きを読む】
エッセイ

食めぐるエッセイ 正統派の直球 『サンドウィッチは銀座で』

読ませる食エッセイ。 東海林さだおが技巧派の変化球とすれば、平松洋子は正統派の直球みたいな印象。 挿絵は谷口ジロー。“名場面集”っぽい感じの緻密なマンガが、文章によく合ってる。 こちらの食欲をビシバシ... 【続きを読む】
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