小説

天竺堂の本棚

平凡の健気さ 浮き彫りにする非凡 『空をこえて七星のかなた』

大きな夢を抱いて挑戦し、成し遂げる人がいる。その活躍をながめ、うらやむ人たちもいる。 立場も事情も異なる両者だけど、どちらも主人公として日々を生きており、それぞれにドラマがある。 …本書は、ある魅力的... 【続きを読む】
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ヒロイック・ファンタジーの“原点”にして“最高峰” 『愛蔵版 英雄コナン全集』(1 風雲篇)

ヒロイック・ファンタジーの“原点”であり“最高峰”でもある、何だか「仮面ライダー1号」みたいな存在がコレ。 未来少年とか小学生探偵じゃないぞ。 古代世界を放浪し、凶漢や怪物と闘い、屍山血河を越えて帝王... 【続きを読む】
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不条理で刺激的 地球防衛の奇策  『アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風』

スポーツであれば、勝敗の決着はルールで決められてる。ルール無用のケンカでも、どちらか一方が闘えなくなるか、あるいは死んでしまえば、それで決着だろう。 …ならば、戦争は? どちらかの軍勢の、いちばん偉い... 【続きを読む】
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往年の“ウルフガイ” 彷彿させるヒーロー 『月の王』

伝奇アクションの古典的名作である平井和正『ウルフガイ』作品群の、インスパイアみたいなオマージュみたいな、活劇たっぷりの娯楽小説。 主人公は驚異的な身体能力の持ち主で、月齢に合わせて強くなるという、その... 【続きを読む】
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読順で変わる印象 意欲的な短編連作 『N』

道尾秀介のユニークなミステリ。 6章で構成され、各章は独立した物語だけど、舞台や登場人物などにゆるい関連がある。 章の順序を変えて読むと、そのたびに異なる感慨が生じ、つまりは720通りの読み味が楽しめ... 【続きを読む】
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イルカのような登場人物が… 『カラスの親指』

詐欺師たちのスリリングなコン・ゲームが展開する本書には、「イルカのような」と描写される人物が登場する。 ツルリとした顔、優しそうでヤンチャそうな目、ツンとした唇にはいつも笑みが浮かんでる…みたいな感じ... 【続きを読む】
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美しくも厳しい…湿地で生きる少女 『ザリガニの鳴くところ』

ザリガニが鳴くのかどうか、私は知らない。 小学生のころ、理科室の水槽で飼ってたアメリカザリガニの世話係をやったことがあるけど、鳴き声は聞けなかった。 本書によると、ザリガニの鳴くところは「茂みの奥深く... 【続きを読む】
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思索に沈ませる 傑作ぞろいの短編集 『あなたの人生の物語』

子供が親よりも先に死んでしまう“逆縁”は、重い親不孝とされる。 立派な偉人に育ってくれそうにはないし、むしろ世間に迷惑をかける愚物で終わるかも知れない。それでも、我が子の死に、親として向き合わなければ... 【続きを読む】
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遠野舞台に描き出す 怪異のメカニズム 『遠巷説百物語』

お化けや妖怪などの、不可思議なものたち。 現実に在るとは思えない。けれど、目撃や遭遇などの体験談が少なからず伝えられてるからには、まったくのデタラメ、絵空事というわけでもなさそう。 これはどういうこと... 【続きを読む】
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