小説

天竺堂の本棚

臨死体験めぐるスリリングな物語 『航路』(上・下)

コニー・ウィリスSF大作。上下巻。 臨死体験を擬似的に起こせる物質が発見され、認知心理学者と神経内科医のチームが、この物質をボランティア被験者たちへ投与し、聴き取り調査を始める。 ところが、アクシデン... 【続きを読む】
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迫る大災害 価値観や思い交錯 『深紅の碑文』(上・下)

SF大作『華竜の宮』の続編。 目前に迫ってる、地球規模の大災害。 人類存続のために奔走する者、個人の信念や意地をつらぬこうとする者、星間宇宙船に思いを託す者…それぞれの立場や価値観が交錯し、衝突する。... 【続きを読む】
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養成と選別 警察学校の物語 『教場』

警察学校を舞台にした、オムニバス短篇集。 生徒たちの視点から、冷徹な教官による厳しい訓練と、そこで生じる葛藤などが描かれる。 警察官の養成機関である警察学校。 それを、警官に向く者と向かない者を分ける... 【続きを読む】
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ネタとギャグ 乱れ撃ちのスパイ小説 『定吉七番の復活』

東郷隆による、キレまくってるスパイ(ギャグ?)小説。 「殺人許可証を持つ丁稚」「世界で最も危険な丁稚」などと呼ばれる定吉七番が主人公。 大阪商工会議所秘密会所に所属し、関西経済界の利権を守る敏腕情報部... 【続きを読む】
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琉球舞踊めぐるドラマチックな物語 『黙示録』(上・下)

池上永一の琉球王朝モノ。 舞台は18世紀。 清国と徳川幕府に従属し、軍事や産業で劣る小国・琉球は、文化や芸術に力を入れて影響力を増すという独自の外交政策を展開してた。 賤民だった主人公は、才能を見出さ... 【続きを読む】
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自由とは? 労働とは? 思考実験の世界 『所有せざる人々』

アーシュラ・K・ル=グウィンの長編SF。 舞台はふたつの惑星。 ひとつは、過酷な風土の中、アナーキストたちが相互扶助によって暮らす、惑星アナレス。もうひとつは、肥沃な自然に恵まれ、資本主義経済が栄えて... 【続きを読む】
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「ゲド戦記」の世界観深める短篇集 『ドラゴンフライ』

『ゲド戦記』の外伝に当たる短篇集。全5編。 舞台となる「アースシー」の各時代、各地域のエピソードを、ディテール細かく描き出す。作品の世界観をグッと深めてくれる。 語り口は淡々としてるのに、不思議な重厚... 【続きを読む】
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火星人が本当に襲来!? 『宙の地図』(上・下)

H・G・ウエルズが主人公を務める、奇想小説『時の地図』の続編。 侵略SFの古典となる『宇宙戦争』を、ウェルズが発表する。そうしたら、本当に火星人が襲来するという物語。 これに、地球空洞説やら南極探検隊... 【続きを読む】
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幽霊屋敷 さまざまな切り口で 『私の家では何も起こらない』

幽霊屋敷をめぐる連作短編。全10話。 同じ屋敷を舞台に、語り手や年代、趣向など、それぞれ異なってる。凝ったホラー小説。 著者は「家という“枠組み”に幽霊が留まるのはどうしてか?」みたいな疑問を抱いてる... 【続きを読む】
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