天竺堂の本棚

ケレン味あふれる将棋ミステリ 『死神の棋譜』

とても現実とは思えない、常識では考えられない…そんな殺人事件が、現実的で常識的な決着を迎えるというのが、ミステリーのひとつの定形だろう。  本書は奥泉光による、将棋界を舞台にしたミステリー。 矢文で届... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

ドライな死生観 戦国忍者の闘い 『忍びの国』

忍者って、超能力者かミュータントかというド派手なものから、農民以上盗賊未満ほどの地味なものまで、いろんな描かれ方がある。  戦国時代に忍者と武士が激突した「天正伊賀の乱」を扱ってる本書では、登場する忍... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

テロ行為に至る メカニズム考察 『歪んだ正義』

アニメや特撮などのヒーロードラマに登場する悪役たち。ドラマを観るに、その大多数には「悪いことをしてる」との自覚がある模様。 だけど現実の、凶悪なテロ事件を起こした実行犯たちは、マスコミへ「これは聖戦な... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

巨大マンション 弱肉強食の空間に 『ハイ・ライズ』

J・G・バラードによる、純文学みたいなSF。  英ロンドンの郊外に建てられた、40階建て1000戸という巨大な分譲マンションが舞台。内部にはスーパーマーケットやプール、レストラン、学校などが整備されて... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

空気感や心情 学生時代がよみがえる 『四畳半神話大系』

人生も半世紀を過ぎたというのに、過去にしでかしたアレコレの思い出に、しばしば悩まされる。 もう関係者は忘れていて、ウジウジこだわってるのは私だけなんだろうけど、どうにも頭から離れない。このまま長期記憶... 【続きを読む】
施設長の学び!

注意すべき過覚醒、配慮すべき受援力

豪雨水害に遭った被災地へ、所属社会福祉士会の派遣員として先日、災害支援に入りました。 自らの微力を痛感させられたものの、得難い経験でした。  派遣に当たり、事前にオリエンテーションを受けました。 経験... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

「ドット型王国」へ 縮みゆく社会 『未来の地図帳』

将来の日本について、ひとつの具体像を示してる本。  各種の統計データなどから導き出される必然として、もはや人口減少と東京一極集中は止められない。 これに対し、著者は「戦略的に縮む」と提言。  行政区の... 【続きを読む】
施設長の学び!

共に創り上げる支援

障害のある人たちの支援…それが私の仕事。 ですから、しばしば「良い支援とは?」と考えます。  利用者さん個々の事情に対応した個別支援を行わなければならないので、ひとくくりに「良い」と言えることではない... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

障害者の価値 伝え続ける意義 『なぜ人と人とは支え合うのか』

『こんな夜更けにバナナかよ』で知られるノンフィクション作家が、相模原障害者施設殺傷事件を経て、福祉の意義や障害者の価値などについて述べてる本。  世間には「障害者って、生きている価値があるんでしょうか... 【続きを読む】
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