天竺堂の本棚

50年分を網羅 痛快な文芸評論 『日本の同時代小説』

斎藤美奈子による、現代日本の文芸評論。 1960~2010年の純文学を中心に、SFやミステリ、ケータイ小説まで、幅広く網羅。  年代ごとの社会情勢や出来事に絡んで、その時に話題となった文芸作品が列挙さ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

幽霊たちが養育 英国版の鬼太郎? 『墓場の少年』

ニール・ゲイマンのファンタジー。  何者かに家族を殺害され、たまたま墓地に迷い込んで命拾いした男児が主人公。墓地に棲む幽霊たちに育てられて成長し、やがて、家族の仇と向き合うことに…という物語。  暗く... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

絶望的な逃避行 父娘が見出す絆 『拳銃使いの娘』

イジメられっ子としてビクビクしながら生きてた少女の前に、突然、強盗を働いて服役してたはずの父親が現れる。 釈放と同時に、因縁のあったギャングの首領から処刑宣告(家族全員)が下されたため、11歳の娘を守... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

緊迫から疾走へ 刺激的なファンタジー 『カッコーの歌』

フランシス・ハーディングのファンタジー。  舞台は第一次大戦後のイギリス。 冒頭、主人公の少女が記憶喪失の状態で目覚める。池でおぼれかけたらしい。記憶は徐々によみがえってくるけど、イマイチ確信が持てな... 【続きを読む】
施設長の学び!

“大学”で学び直してみる

このほど、「放送大学」に入学しました。  大学入学資格(高等学校卒業など)があれば入れる、通信制の大学です。 手続きをして学費を支払うと、入学許可書が送られてきました。あとは自分で学習を進めていくだけ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

改稿の謎めぐるディストピアSF 『カムパネルラ』

『銀河鉄道の夜』をモチーフにした、山田正紀のSF。  舞台は現代日本なんだけど、メディア管理庁という思想統制機関が支配するディストピア。 ここでの「銀河鉄道の夜」は、自己犠牲を賛美してるとも読み取れる... 【続きを読む】
ノンフィクション

右派/左派とは別次元にある“自由” 『リバタリアニズム』

アメリカなどで拡大してる自由至上主義、その歴史や現状などをまとめたノンフィクション。  信奉者は「リバタリアン」と呼ばれ、市場の自由化とか、公権力の縮小、個人尊重などを進展させようと活動してる。  個... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

服は人なり? 奇想あふれる傑作SF 『カエアンの聖衣』

高級ブランドのスーツをさっそうと着こなしてる人は、大企業に勤めてるように見えたり、シゴトができそうに見えたりする。 だけど実は、着てる人なんか無関係で、すべてはスーツの効果かも知れない。その人からスー... 【続きを読む】
ノンフィクション

本と文化を担う 山奥の行商人たち 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』

イタリア在住の日本人ジャーナリストによるノンフィクション。  トスカーナ州の山奥にある「モンテレッジオ」は、本の行商人たちの村だった。…という話を、ベネツィアの古書店で小耳にはさんだ著者。 実際にモン... 【続きを読む】
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