小説

天竺堂の本棚

小さな本屋の人間模様 ジンセイの妙味 『燃えよ、あんず』

タイトルから想像したのは、あんずという名の元気な主人公が、逆境や挫折を乗り越えてシアワセになるという、NHKのドラマっぽい物語。「燃えよドラゴン」ネタが少々入ってたりして。 実際には、室生犀星の詩から... 【続きを読む】
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荘厳にしてドロドロ 濃密なSF大作 『零號琴』

飛浩隆のSF大作。  謎の知性体「行ってしまった人たち」が残した文明遺産のおかげで、人類が外宇宙へ進出してる未来世界が舞台。 惑星・美縟に埋もれてた超巨大楽器・美玉鐘が復元され、開府500年の記念祭で... 【続きを読む】
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古代中国の英傑 殷周革命果たす呂尚 『太公望』(上・中・下)

古代中国で殷周革命を果たしたとされる、呂尚を主人公に据えた歴史小説。  遊牧民の少年・望(後の呂尚)は、一族を商(殷)王家に滅ぼされたことから、生き残った子供たちと復讐を決意。長じて望はレジスタンスを... 【続きを読む】
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気付かされる 「腑に落ちたい」私たち 『カササギ殺人事件』(上・下)

図書館で借りた本だったか、古本屋で買った本だったか。カバーの折返し部分に載ってる登場人物リストに「こいつが犯人」と落書きされてるのが目に入り、ゲンナリさせられたことがある私。 本書では、主人公がミステ... 【続きを読む】
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中国の戦国時代 伝説的武将の一代記 『楽毅』(1~4)

古代中国の戦国時代、燕の武将として活躍した楽毅の一代記。  漢の高祖(劉邦)も、蜀の諸葛亮も、楽毅をリスペクトしてたという、武人としてはスーパースター級。原泰久のマンガ『キングダム』でもレジェンド扱い... 【続きを読む】
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凄腕の主人公 飄々とした魅力 『用心棒』

主人公のジョーは、ニューヨークにあるストリップクラブの用心棒。  痩せぎすで、ややムサい風貌。胸に「SECURITY」とプリントされたTシャツを着てる。ハーバード大学を中退し、陸軍特殊部隊で活躍してた... 【続きを読む】
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遠未来の植民惑星に“仏陀”出現 『光の王』

ロジャー・ゼラズニイの代表作とされる、名高いSF。  遠未来の植民惑星が舞台。 その星では、ヒンズー教の神々を民衆が崇める、古代インドっぽい世界が実現してる。 最初の植民者たちが、未来の科学技術を駆使... 【続きを読む】
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閉塞感や諦念 ブッ飛ぶ最終章 『橋を渡る』

ネットや新聞、テレビなどで、私たちは日々、世界中のさまざまな出来事を知る。報じられるのは、戦争やテロリズム、人権問題、環境破壊、自然災害などなど。 そんな大ごとの前には、自分のささやかな行動なんか無意... 【続きを読む】
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中国史の闇描く 重厚なミステリ 『北京から来た男』(上・下)

ヘニング・マンケルの社会派ミステリ。  スウェーデンの寒村で起きた大量虐殺事件が、中国の近・現代史につながっていくという、壮大なスケール。 なんだけど、事件をめぐるサスペンスよりも、改革開放路線を猛進... 【続きを読む】
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