天竺堂の本棚

奇妙で異様で不気味で 余韻ある16篇 『不思議の森のアリス』

リチャード・バートン・マシスンの短編集。 “ホラー”とか“ダーク・ファンタジー”に当たるらしい、奇妙で異様で不気味で、何とも独特な16編。 玉石混交っぽいけど、“玉”に相当する方は、“石”を補って余り... 【続きを読む】
ノンフィクション

天才か?礎か? 迫られる藝大生たち  『最後の秘境 東京藝大』

東京藝術大学についてのルポルタージュ。 著者は作家で、妻が現役の藝大生であることが、執筆の動機になったそうな。 学内のさまざまな学部を見て回りながら、“学業”に励んでる学生たちにインタビュー。 奇妙と... 【続きを読む】
ノンフィクション

賛美で正当化される 軍首脳の無能 『不死身の特攻兵』

劇作家の鴻上尚史によるルポルタージュ。 第二次大戦末期、日本陸軍の特攻兵として爆撃機で9回出撃し、生還したパイロットがいた。 そのことに興味を抱いてた著者が、当人が存命と知って所在を探し当て、インタビ... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

ヒロイン苦しめる 呪われた血族 『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』(上・下)

唐突だけど、往年の刑事ドラマ「Gメン’75」の連作“黒谷町シリーズ”を思い出した。 手斧を振り回す殺人鬼・望月源治(蟹江敬三)と、立花刑事(若林豪)の対決には、ハラハラさせられっぱなしだった。 逮捕し... 【続きを読む】
マンガ

引退スーパーヒーロー NYで探偵稼業 『ジェシカ・ジョーンズ:エイリアス AKA 謎の依頼者』

マーベルのアメリカンコミック。 アダルト向けのレーベルから出てるけど、スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」などが活躍してる世界が舞台。 かつてアベンジャーズのメンバーだったジェシカは、派手なコスチ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

暴力肯定の未来 思考実験として読める 『宇宙の戦士〔新訳版〕』

ハインラインの名作SF。 裕福なボンボンだった青年が、ひょんなことから地球連邦軍に志願し、機動歩兵として鍛えられていく様子が活き活きと描かれてる。まさに“読むブートキャンプ”。 ひさしぶりに、新訳版で... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

翻弄される人生 諦念もたらす名作SF 『タイタンの妖女』

未来のことなんて分からない。予想はできるけど、予想しかできない。 かつて自分が「こうなればいいなぁ」と願ってたモロモロは、かなったり、かなわなかったり。どちらかと言うと、かなわなかったことの方が多いよ... 【続きを読む】
施設長の学び!

甘えている…? わがまま…?

「あの人は甘えている」「態度がわがままだ」 障害のある人たちについて語られる場で、しばしば耳にする言葉です。 言っている人たちの多くは、障害への理解が不充分なのでしょう。 福祉的支援の現場においても、... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

欲望極めた果てに “鬼の副長”誕生へ 『ヒトごろし』

よく「好きなことを仕事にしよう」なんて言う。それをトコトン実践し、「新選組」を結成してしまったのが、本書の主人公・土方歳三。 幼少期に出くわした斬殺の光景に魅せられて以来、歳三は「人を斬り殺したい」と... 【続きを読む】
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