小説

天竺堂の本棚

旧ソ連の暗黒史に重なる 舞踏教師の生涯 『オリガ・モリソヴナの反語法』

米原万里の長編小説。 著者がモデルと思われる日本人女性が、少女時代を過ごしたプラハのソビエト学校で出会った舞踊教師の消息をたずね、民主化後のモスクワをさまよう。ミステリ仕立ての物語。 教師が歩いた波乱... 【続きを読む】
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密室殺人の弁護 二転三転する法廷劇 『ユダの窓』

ドアに鍵が掛かり、窓にシャッターが下りてる執務室。 老人を訪ねてきた青年。老人から酒を勧められ、グラスに口を付けた青年は突然、気を失って昏倒。 しばらくして青年が目覚めると、部屋の壁に飾られてたはずの... 【続きを読む】
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移民宇宙船と未開惑星と 人類描く年代記 『怨讐星域』(1~3)

滅亡の危機にさらされた地球。 172光年の彼方に発見された居住可能な惑星を目指し、選ばれた一部の人々が、世代交代型の巨大宇宙船で出発する。その後、宇宙空間を超える瞬間移動技術が発明され、残された人々は... 【続きを読む】
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解決直後にオドロキが 古典ミステリの傑作 『火刑法廷』

初めて読んだジョン・ディクスン・カー。 富豪の殺害疑惑に絡んで、遺体が地下霊廟から無くなったり、怪しい女が壁に消えたり、主人公の奥方が伝説的な毒殺魔にそっくりだと分かったり。 各節の末尾に“小さなオド... 【続きを読む】
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記憶は薄れるが、“無かったこと”にはできない 『忘れられた巨人』

燃えるような憎悪を抱いたり、重苦しい絶望にとらわれたり、消え去りたくなるほどの罪悪感を覚えたり…。 そんな経験もしてきたけれど、どうにかマトモに過ごしていられるのは、忘却のおかげ。 つらい記憶が不意に... 【続きを読む】
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半グレが生徒ら襲撃 過酷なサバイバル 『槐(エンジュ)』

月村了衛のシンプル&ストレートな冒険小説。 山奥のさびれたキャンプ場に突如、武装した凶暴な半グレ集団が現れる。たまたま合宿に来てた中学生と引率教師らは、過酷なサバイバルを強いられることに。 生死を賭け... 【続きを読む】
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児童養護施設の日常 丁寧に描く 『明日の子供たち』

例えば、アナタが肥満体だとする。しかも独身で、頭髪が薄いとする。 それはそれとして、アナタなりに毎日をノビノビと楽しく暮らしてるとする。 そんなアナタへ、周りの人たちがあわれむような表情で口ぐちに「太... 【続きを読む】
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多種多彩 珠玉の掌編マンガ集 『ひきだしにテラリウム』

九井諒子の掌編マンガ集。 全33編すべて数ページ程度。 内容は多種多様で、SFあり、民話風あり、裁判あり、ホラ話あり、不条理あり、ギャグあり、ラブコメあり、一発ネタあり…。幕切れのオチも、ドンデン返し... 【続きを読む】
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政治に翻弄されるスーパーヒーローたち 『完璧な夏の日』(上・下)

アメコミ風のヒーローたちが、本格スパイ小説の舞台で活躍するという異色作。 第二次大戦前、ドイツの物理学者が行なった実験の影響で、世界中に超能力を持つ者が出現。霧を操ったり、物体を消滅させたり、猛獣に変... 【続きを読む】
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