こんな“福祉”の本はいかが? ② | 施設長の学び!

こんな“福祉”の本はいかが? ②

こんな“福祉”の本はいかが? ②
 前回の続きです。
 「障害」と「高齢」の2分野18冊をご紹介します。


【障害】
9.『えほん 障害者権利条約』
 2006年に国連で採択された全50条の条約について紹介。子供向けですが、要点が分かりやすくまとめられており、大人が読んでも有益です。

10.『精神病院のない社会をめざして』
 精神科医フランコ・バザーリアの評伝。イタリアにおいて、地域精神保健サービスを確立、精神病院の全廃を実現した、その原動力に迫る内容です。

11.『母よ!殺すな』
 日本の障害者運動に大きな影響を与えた、横塚晃一の発言集。障害児を殺害した母親の減刑嘆願運動へ、障害当事者の立場から異議を訴えた人物です。

12.『こんな夜更けにバナナかよ』
 身体障害者の地域生活を支えた、介護ボランティアの体験記。きれいごとだけでは済まない、人間同士のぶつかり合いが、軽妙な文章でつづられています。

13.『くらやみの速さはどれくらい』
 自閉症を治す特効薬が開発されている近未来を描いたSF。障害者にとって“障害”とは何なのかを問う、ユニークな思考実験です。

14.『累犯障害者』
 刑務所への出入所を繰り返す知的障害者たちのルポルタージュ。刑務所が弱者にとって“安住の地”になっている実態を告発し、社会に大きな波紋を拡げました。

15.『だれか、ふつうを教えてくれ!』
 障害者福祉の在り方について、視覚障害のある著者が提言。「障害をどう捉えるのか?」「障害者は不幸なのか?」などの考察は、どれも深くて切実です。

16.『火星の人類学者』
 脳神経科医による症例集。障害者7人のエピソードは、特異にして興味深く、人間の奥深さや複雑さ、不可解さについて思い知らされます。

17.『生きている奇跡』

 高次脳機能障害の息子さんを持つ、お母さんの手記。理解ある人々に支えられ、息子さんは念願の歌手デビューを果たし、現在も活動されています。

【高齢】
18.『へろへろ』
 福岡にある介護施設のドキュメンタリー。施設の日々を伝える雑誌を刊行したり、寄付を募って新施設を建てるなど、バイタリティーあふれる活動が注目されています。

19.『上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』
 社会学者と医師の対談集。「在宅で天寿をまっとうすることはできるの?」「どのような準備が必要?」などの疑問へ、明快な回答が提示されています。

20.『おばあちゃんが、ぼけた。』
 高齢者の認知症について、福祉専門職が子供向けに書いている本。ユニークな切り口、素朴で率直な文章、そして温かみのある視点で読ませます。

21.『八重子のハミング』
 アルツハイマー病の妻を11年間介護した夫の手記。老老介護の過酷さや、伴侶への情愛などが、80首の短歌とともにつづられています。

22.『老人力 全一冊』
 高齢者についての価値観の転換を迫る本。加齢で心身が弱った状態を“老人力”としてポジティブに捉え直し、1998年にベストセラーとなりました。

23.『ひとりじゃなかよ』
 72歳でカメラを手にした西本喜美子さんが、88歳で出版した初の写真集。遊び心や詩情にあふれる写真たちが、驚きと元気をもたらしてくれます。

24.『オジいサン』
 平凡な高齢者の日常生活を描いた、実験的な小説。72歳の主人公の身になって、ものごとの感じ方や考え方などを、丹念にたどることができます。

25.『「平穏死」のすすめ』
 特別養護老人ホームの常勤配置医による、“死”についての提言。終末期の延命措置に疑問を投げかけ、臨終を穏やかに迎える意義を説いています。

26.『わが母 最後のたたかい』
 認知症の老母を13年間介護した、息子の手記。併せて、浮き彫りになった家族の葛藤や、戦中・戦後を生きた母親の人生、それらの記録でもあります。

photo credit: thierry llansades Lyon, fresque des ecrivains, detail via photopin (license)