小説

天竺堂の本棚

高尚で立派か? 引きこもりか? 『失われた岬』

深山幽谷の草庵で、悠然と思索にふけったり。洞窟や僧房の暗がりで、無我の境地を求めたり。有機無農薬栽培の作物を食べ、天然繊維の簡素な服を着て、スピリチュアルな仲間と晴耕雨読の共同生活をおくったり。 …こ... 【続きを読む】
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密林での戦い ケレン味要素も 『機龍警察 白骨街道』

シリーズ6作目。 ミャンマーの密林での過酷な強行軍と、兵器開発をめぐる汚職事件の捜査が、交互に展開していく。どちらもスリリングで読ませます。  今回は、機甲兵装に絡むところに、“十二神将”や“八部衆”... 【続きを読む】
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ミステリ1冊分 作中作で封入 『ヨルガオ殺人事件』(上・下)

ミステリーを読む時は虚心坦懐を心がけてる。と言えばキザだけど、つまりは謎解きをあきらめてる。 読みながら手がかりを探し出し、トリックやミスリードを見破り、犯人を突き止める…なんて作業は登場人物に任せて... 【続きを読む】
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連作ミステリ バトルマンガの味わい 『推理大戦』

似鳥鶏の連作ミステリ。  世界的に貴重とされるキリスト教の聖遺物の所有権をめぐり、各国の宗教組織から“代表”を募って推理ゲームで競わせるという、奇妙な企画が発表される。 実際にエントリーしてきたのは、... 【続きを読む】
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“孤独”にじみ出る 米社会の点描 『ロンサム・カウボーイ』

片岡義男の連作短編集。初期の名作。  1970年代のアメリカにおける、さまざまな人生の形。 登場するのは、長距離トラックの運転手、荒野に建つカフェの女店主、酒場を渡り歩くハスラー、地方を巡業するロディ... 【続きを読む】
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裏社会の“保安官” ど派手に活躍 『続・用心棒』

ストリップクラブの用心棒をしながら、犯罪組織間のパワーバランスを維持する“保安官”を務める主人公。 性格は地味めなのに、ダイヤモンドを強奪したり、テロ組織を出し抜いたり、ニューヨークの真ん中でど派手に... 【続きを読む】
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やたらとデカい とにかくスゴい 『三体3 死神永生』(上・下)

中国産SF大作の完結編。  外宇宙から迫り来る危機また危機に、人類文明はありったけの科学技術と工業力でもって抵抗する。 その行く末を、冷凍睡眠を繰り返しながら見守り続ける主人公。  昭和時代の児童向け... 【続きを読む】
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手塚の構想メモ 膨らませた意欲作 『小説 火の鳥 大地編』(上・下)

手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の「大地編」を、桜庭一樹が小説として書き継いだ意欲作。  日中戦争後の上海で、長寿をもたらす未知のホルモンを分泌する伝説的な鳥の捕獲を狙う日本軍が、タクラマカン砂漠への... 【続きを読む】
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濃厚キャラの存在感 物語に影響 『星系出雲の兵站 -遠征-』(1~5)

往年の時代劇大作『柳生一族の陰謀』に、烏丸少将という悪役が登場する。 演じてるのは成田三樹夫。徳川三代将軍をめぐる幕閣内の暗闘につけ込もうと策謀する、公家の役だった。 顔は白塗り、口調は「おじゃる」、... 【続きを読む】
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