天竺堂の本棚 高尚で立派か? 引きこもりか? 『失われた岬』 深山幽谷の草庵で、悠然と思索にふけったり。洞窟や僧房の暗がりで、無我の境地を求めたり。有機無農薬栽培の作物を食べ、天然繊維の簡素な服を着て、スピリチュアルな仲間と晴耕雨読の共同生活をおくったり。 …こ... 【続きを読む】 2021.12.10 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 密林での戦い ケレン味要素も 『機龍警察 白骨街道』 シリーズ6作目。 ミャンマーの密林での過酷な強行軍と、兵器開発をめぐる汚職事件の捜査が、交互に展開していく。どちらもスリリングで読ませます。 今回は、機甲兵装に絡むところに、“十二神将”や“八部衆”み... 【続きを読む】 2021.11.29 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ミステリ1冊分 作中作で封入 『ヨルガオ殺人事件』(上・下) ミステリーを読む時は虚心坦懐を心がけてる。と言えばキザだけど、つまりは謎解きをあきらめてる。 読みながら手がかりを探し出し、トリックやミスリードを見破り、犯人を突き止める…なんて作業は登場人物に任せて... 【続きを読む】 2021.11.19 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 連作ミステリ バトルマンガの味わい 『推理大戦』 似鳥鶏の連作ミステリ。 世界的に貴重とされるキリスト教の聖遺物の所有権をめぐり、各国の宗教組織から“代表”を募って推理ゲームで競わせるという、奇妙な企画が発表される。 実際にエントリーしてきたのは、さ... 【続きを読む】 2021.10.15 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 “孤独”にじみ出る 米社会の点描 『ロンサム・カウボーイ』 片岡義男の連作短編集。初期の名作。 1970年代のアメリカにおける、さまざまな人生の形。 登場するのは、長距離トラックの運転手、荒野に建つカフェの女店主、酒場を渡り歩くハスラー、地方を巡業するロディオ... 【続きを読む】 2021.09.18 天竺堂の本棚小説
マンガ キャプテン・アメリカが闇落ち!? 『シークレット・エンパイア』(1・2) キャプテン・アメリカが悪者だったら…との趣向で描かれたアメコミ大作。 いくつかの事故と陰謀が重なり、マーベル世界の過去が改変される。 スティーブ・ロジャースは幼少期、ヒドラ(悪の秘密結社)に洗脳されて... 【続きを読む】 2021.08.17 マンガ天竺堂の本棚
天竺堂の本棚 毒も栄養も血肉に変える読書 『遊読365冊』 “地上最強の生物”とか呼ばれる某人物によると「毒も喰らう/栄養も喰らう/両方を共に/美味いと/感じ――/血肉に変える/度量こそが/食には肝要だ」。 これは読書にも当てはまりそう。 本書は松岡正剛が19... 【続きを読む】 2021.08.05 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 裏社会の“保安官” ど派手に活躍 『続・用心棒』 ストリップクラブの用心棒をしながら、犯罪組織間のパワーバランスを維持する“保安官”を務める主人公。 性格は地味めなのに、ダイヤモンドを強奪したり、テロ組織を出し抜いたり、ニューヨークの真ん中でど派手に... 【続きを読む】 2021.07.19 天竺堂の本棚小説
マンガ 読書の効用 生真面目に説く 『草子ブックガイド』(1~3) 主人公は内向的な女子中学生。 一緒に暮らす父親は、画家志望なんだけど、日雇い労働と飲酒に明け暮れてる。離婚した母親は、版画家として成功し、別の家庭を築いてる。 そんな主人公の唯一の娯楽が読書。 近所の... 【続きを読む】 2021.07.02 マンガ天竺堂の本棚